神戸山口組 衝撃! 中田若頭代行逮捕 弘道会拠点「銃撃実行犯」の嫌疑

神戸山口組 衝撃! 中田若頭代行逮捕 弘道会拠点「銃撃実行犯」の嫌疑

(提供:週刊実話)

分裂抗争が激化の一途を辿り、報復の可能性も囁かれる神戸山口組(井上邦雄組長)に衝撃が走った。12月3日夜、神戸山口組若頭代行を務め、中核組織の五代目山健組(兵庫神戸)を率いる中田浩司組長が殺人未遂と銃刀法違反の容疑で兵庫県警に逮捕されたのだ。

 しかも、六代目山口組(司忍組長)・三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)の“神戸拠点”で起きた組員銃撃事件の実行犯だという嫌疑を掛けられたのである。

「当日夕方ごろ、中田組長に逮捕状が出とると各メディアが騒ぎ始めたんや。実際には数日前に出とって、兵庫県警は逮捕のタイミングをうかがっとったようや。鉄道ICカードの記録を手掛かりに大阪市内で身柄を確保したんも、県警が血眼になって行方を追っていたからやろ」(ベテラン記者)

 それには理由があった。兵庫県尼崎市の路上で、六代目山口組・二代目竹中組(安東美樹組長=兵庫姫路)の朝比奈久徳元組員によって射殺された神戸山口組・古川恵一幹部の通夜、葬儀が、11月30日と12月1日に営まれたのだが、中田組長は姿を現さなかったのだ。

「逮捕状は、これより前に出とったんやろな。通夜、葬儀で所在確認して着手する予定が、参列しなかったもんやから、あの手この手で捜したんと違うか」(同)

 県警は大阪市内に狙いを定め、複数の捜査員を派遣した模様で、淀川区の路上を単独で歩いていた中田組長を発見し、午後10時半すぎに逮捕に至った。

“大物逮捕”であるため、その一報は深夜にもかかわらず業界内外を駆け巡り、逮捕容疑に注目が集まった。

「このタイミングでの逮捕やし、当初は中田組長から今後の戦略なんかを聞き出すための“微罪逮捕”やないかいう見方もされとった。しばらくして、神戸での銃撃事件に関わる容疑やと聞こえ始めてな、それなら中田組長を共犯にした無理やりの容疑かと思うたんや。けど、この時点で傘下組員に逮捕者はおらんかったし、いきなりトップを逮捕するなんてあり得んかった」(同)

 その後、県警は銃撃の実行犯の疑いで逮捕したと発表。神戸山口組に限らず、他組織の関係者らも「信じ難い」と口を揃えるほど、前代未聞の事態だった。

「山健組のトップが自分で撃ちに行く必要なんかあらへん。どれだけのリスクを負うと思うてんねん」(関西の組織関係者)

「共犯ならまだしも、実行犯というのは警察の勇み足じゃないか」(他団体関係者)

「あの事件は計画的な犯行だった。ただでさえ、警察にマークされている立場なんだから、事前にバレるだろう」(関東の組織関係者)

 そもそも、8月21日の弘道会“神戸拠点”での事件は、4月18日に山健組・與則和若頭が神戸市内の春日野道商店街で刺されたことへの報復とみられた。事件は日没直前に起き、防犯カメラはフルフェースのヘルメットを被りバイクに乗ったヒットマンが、建物前を通り過ぎたあと再び戻って発砲する様子を捉えていた。

 ヒットマンは止められた軽自動車に乗ったままだった弘道会傘下の加賀谷保組員に向けて、至近距離から自動式拳銃を発砲。わずか1〜2秒の間に約6発を放ち、弾は窓ガラスを粉々に砕いてドアを貫通し、加賀谷組員は腕と腹部、太ももに3発被弾した。一命を取り留めたものの、右腕の切断手術を余儀なくされ、重傷を負ったのだ。

 この拠点は、総本部で定例会が行われる際などに竹内会長が使用しているだけでなく、六代目山口組・髙山清司若頭の邸宅も隣接。髙山若頭の出所約2カ月前というタイミングから、報復攻撃であると同時に、事件を引き起こして警察当局を刺激し、拠点を使用禁止に追い込むことも目的だったのではないかと囁かれた。

 後日、県警は現場から約600メートル離れたマンションの駐輪場で、犯行に使用された可能性のある黒いバイクを発見。さらに、乗り換えたとみられる白いバイクも、山健組本部に近い病院の駐車場から押収した。各所に設置された防犯カメラ映像からヒットマンの逃走経路を割り出し、それぞれのバイクを発見したと思われるが、犯人像については明らかにされていなかった。

 しかし、中田組長逮捕の決め手は防犯カメラ映像であり、事件前に現場近くにいる中田組長の姿や、白いバイクの男が神戸市内にある中田組長の自宅に入っていく様子を確認し、精査した末に中田組長本人と判明したというのだ。

★神戸山口組が緊急会合

 今回の県警の捜査手法について、画像解析の専門家はこう分析する。

「こういった場合、各所に設置された防犯カメラから、犯行前後の足取りを割り出していくはずです。警察が本人との疑いを強めているのは、犯行に繋がる一連の映像の中でヘルメットを被るか脱ぐかして、顔が映っていたからかもしれません」

 事件現場近くでは、携帯電話で通話していた姿が確認されたというが、そこでヘルメットを被り、バイクに乗ったとは伝わっていない。だが、フルフェースのヘルメットを被った状態でも、条件が合えば個人を特定することは可能だという。

「目元の部分にヘルメットのシールドが掛かっていたとしても、画像解析では透過することができます。サングラスをしていても同様です。その状況で特定した可能性は捨てきれません。ただ、例えば事件現場から容疑者のDNAが出た場合でも、そこにいたという証拠にはなりますが、犯行を立証するのは難しいでしょう。ですから、今回は小さい証拠を積み上げていき、ある程度、決定的なものがあったために逮捕に踏み切った可能性はあります」

 犯行の瞬間を捉えた映像で本人だと特定したならまだしも、酷似する衣服だったなどでは決め手に欠けるという。しかも、肝心の拳銃が見つかっておらず、県警は何らかの重要証拠を隠しているともいわれるのだ。

 今年7月に行われた山健組の定例会で、中田組長は「たとえ一人になろうとも山健組に残る」と覚悟を示したとされ、今回の逮捕との関連性も囁かれた。

「親分本人が犯行を遂げるというのは、リスクが高いようにも思われるが、反面、これほど秘密裏に遂行できる状況はない。自分さえ気を付けていれば犯行が露呈することはないし、子分たちを懲役に行かさなくて済む。しかし、山健組のトップともなれば話は別だろう。中田組長が覚悟を示した上で実行犯になったとしたら、よほどの事情があったとしか思えない」(他団体幹部)

 中田組長は8月末に忽然と姿を消し、9月と10月の神戸山口組定例会を欠席。10月中旬、山健組本部近くで弘道会系組幹部によって射殺された組員らの通夜に姿を現し、11月26日の四十九日法要にも参列していた。しかし、まるで捜査の手から逃れるかのように再び消息を絶っていた。

 兵庫県警は抗争事件が相次いだことを受けて、六代目側と神戸側への特定抗争指定に向けて本格的な検討に入り、愛知、岐阜、三重、京都、大阪などの府県警と連携するプロジェクトチームを設置。組員5人以上が集まるなどすれば即逮捕となる警戒区域は、広範囲に及ぶ可能性があり、年内にも指定する方針だという。

 そんな中での中田組長逮捕は、神戸山口組にとって“大打撃”といえた。対策を話し合うためか、12月6日には兵庫県警が厳戒態勢を敷く中、神戸市内の二代目西脇組(宮下和美組長)本部に直系組長が集まり、緊急会合が開かれた。井上組長をはじめ、直参もほぼ全員の姿が確認されたのだ。

「午後1時すぎに井上組長が到着して、会合は1時間以上にも及んだんや。ノーネクタイにジャケットだったり、普段着だったりしたから、緊急で集まったんがうかがえたで。今後の動きについて意見を交わしたと思われるが、具体的な内容は分かっとらん」(地元記者)

 3日後となる9日には、中田組長に逃走用バイクを提供したとされる男4人が、殺人未遂の容疑で逮捕された。県警は、山健組傘下で中田組長が五代目を務めた六代目健竜会(西川良男会長)の組事務所に家宅捜索を実施。組織的犯行の疑いも強めているようだ。

 しかし、中田組長不在の今、山口組の分裂抗争は極めて危険な状況だという。

「山健組にしてみれば、これからの反撃に関して懸念材料が皆無となった。チーム編成で事に及んでも、勾留中なら中田組長に疑いが掛かるリスクは低く、走る組員が出てもおかしくない。一方の六代目山口組はジワジワと揺さぶりをかけてきたが、“特攻隊長”の不在を狙い、分裂終結に向けて一気に畳み掛けるかもしれない。同時期に特定抗争指定が現実味を帯びてきたのだから、双方とも黙って待つとは考えにくい」(業界ジャーナリスト)

 ましてや、“次の一撃”が勝敗を分ける可能性もあり、ヤクザ社会で言う武勲は計り知れない。山口組分裂から約4年4カ月、運命の時が刻一刻と迫っている。

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