安倍内閣がお墨付き反社会的勢力の猛反撃が始まる!

1991年に施行された暴力団対策法によってヤクザが衰退を始めると、暴力団という従来の組織には属さず暴力行為や詐欺、強盗などを繰り返す不良グループが一気に台頭してきた。

 2007年、治安の悪化を恐れた政府は、こうした不良グループやヤクザなどを“反社会的勢力”と定義。「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」を、社会全体で排除しなければならないとの指針を示し、民間企業などにも関係の断絶を強く求めてきた。

 ところが、安倍首相が主催する「桜を見る会」に反社会的勢力が紛れ込んでいたことが問題化。野党から「反社の定義」についての質問主意書が出されるやいなや、答弁書に「(反社は)形態が多様であり、時々の社会情勢に応じて変化しうるから、あらかじめ限定的、統一的に定義することは困難」と記載。閣議決定されてしまったのである。
「定義ができないということは、UFOやオバケと同じ扱いになる。実態のない人物や集団は、排除ができなくなることを意味します。指定暴力団の組員は言い逃れができませんが、盃を持たない半グレたちや特殊詐欺を繰り返す不良グループが活気づくのは間違いないでしょう」(社会部記者)

 なぜ、こんなことになってしまったのか。
「反社が『桜を見る会』で得意げに撮った写真が出回ったのですが、そこに写っている人物がまずかった。かつて関西で地下格闘技団体を主催していたX氏です。東の関東連合、西のXグループと言われたほどの半グレの大物です」(裏社会に詳しいジャーナリスト)

 X氏は現在、沖縄に移住し、そこでもあらゆる問題を引き起こしているという。
「政府や警察当局が排除に躍起になってきた象徴的な存在です。そんな人物が首相主催の税金を使った行事に招待されていたわけです。政府は、招待者のリストは廃棄したと言っていますが、そんなはずはない。リストでX氏の名前を確認し、写真も出回ったため、言い逃れが難しいと判断。それなら“反社の定義は困難”ということにしてしまえ、となった。これは後々、市民の安全を脅かす重大な問題になりますよ」(同)

★過剰な排除政策の“犠牲者”

 捜査関係者が嘆く。

「半グレや元組員のようなグレーゾーンは法的根拠が乏しい。ヤツらは『俺たちはヤクザじゃない。一般人だ。照会かけてみろ』って開き直る。そういう時に、“反社”って言葉は使い勝手がよかったんだよ。『ヤクザじゃなくてもお前らは反社だ』って強気に出られたからね。でも、これからは『反社の定義を言ってみろ』なんて反論されるのが目に見えている。グレーの連中は、今回の閣議決定をシメたもんだと思っているよ」

 警察当局は、’07年の指針をもとに半グレグループを『準暴力団』と位置づけ、摘発と壊滅に躍起になってきたが、今後はそれも見直しを迫られるだろう。

「反社が定義できないとなると、特殊詐欺グループ主催のパーティーに出席して、事実上、芸能活動が継続できなくなった雨上がり決死隊・宮迫博之やロンドンブーツ1号2号・田村亮を、今すぐ復帰させなければ辻褄が合わない。菅官房長官や昭恵夫人が応じた反社との記念撮影が問題ないのなら、宮迫が問題視された6億円金塊強奪事件の主犯格とのツーショット写真もセーフです」(芸能記者)

 宮迫と亮は、7月20日の会見で「反社会的勢力というのを一個人で判断することは難しい」と訴えていた。それでも社会は彼らを許さず、現在に至っている。

「2人は、度がすぎた反社排除政策の犠牲者といえる。その旗振り役だった政府が、反社は定義できないとバンザイしてしまった。しかも、’07年に反社を定義したのは第一次安倍内閣ですよ。まさにブラックジョーク」(前出・ジャーナリスト)

“犠牲者”はもう一人いる。大物組長との私的交際が問題視され、’11年に引退に追い込まれた島田紳助氏だ。

「当時、TPPをゴリ押ししていた米国が、日本での不動産投資や金融機関への新規参入を見据え、『ヤクザを不動産や金融業から追い出せ!』と日本政府に迫った。この外圧に屈した結果が暴力団排除条例で、それを全国民に周知徹底するために紳助を血祭りにあげたのです。交際自体は犯罪行為ではないのに、警察がわざわざ吉本興業に通告するという異常な手段がとられた。効果は絶大で“密接交際者”という言葉が知れ渡り、ヤクザと手を切らなければ大変なことになると知らしめたわけです」(同)

★“反社会的内閣”の大暴走

 ここまでの犠牲を払い、国民一丸となって反社会的勢力との断絶に取り組んできたにもかかわらず、安倍政権は自らの保身のためだけにちゃぶ台返しをした。政府から“反社は存在しない”とお墨付きをもらったも同然なのだから、反社側は猛反撃に出るだろう。

 メガバンクの関係者も困惑を隠さない。

「暴排条項の導入前に開設した口座を一方的に解約されたとして、指定暴力団の組長が訴えてきたケースもあります。また、重大事件を引き起こした半グレの妻からも同様の訴訟を起こされ、いずれも勝訴していますが、今後は後者のケースでは判断が難しくなるかもしれないですね」

 業務上、金融機関や不動産会社の実態を知る司法書士はこう危惧する。

「不動産会社は少しでも多くの物件を売りたいし、金融機関もローンを貸し付けたい。一応〈反社ではない〉という誓約書にサインはさせますが、厳密に精査したがらない。本音を言うと、彼らは上客ですからね。スルガ銀行がいい例です。今後、業者側は『相手が反社かどうか分からない』と居直れる。グレーな取引が爆発的に増えそうですね…」

 民事介入暴力に詳しい弁護士もあきれ顔だ。

「あるデート商法の社長は、首都圏の指定暴力団の元組員。銀行からは前歴を理由に融資を断られているので、大金が必要になった場合はかつて所属した組に融通してもらっています。当然、売り上げの一部は上納している。反社の定義がなくなれば、こういう人物が大手を振って表社会で経済活動を活発化できる。ひいては暴力団の資金が再び潤沢になっていくはずです」

 この反社に関する閣議決定の直後、和泉洋人首相補佐官(66)と、厚労省の大坪寛子大臣官房審議官(52)の“不倫出張”が『週刊文春』にスクープされた。公私混同ではないか、と記者から質問された菅官房長官は、「公務と交際とを頭の中で切り替えていたから公私混同ではない」と断言した。

 指定暴力団の幹部が笑う。

「六代目山口組の髙山清司若頭は、酒席で建設業者に対し、部下を指して『よろしく頼む』と言っただけで恐喝罪とされ、懲役6年の刑に服した。今後、同様の裁判で、俺らはこう主張するよ。『ヤクザと一市民を頭の中で切り替えていたから恐喝ではない』とね」

 詐欺集団顔負けの詭弁を弄し、都合の悪い文書はすべてシュレッダーにかけて証拠隠滅。麻生太郎副総理の恫喝記者会見を見るまでもなく、安倍一派が“反社会的内閣”であることに疑いの余地はない。

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