六代目山口組抗争下最後の決起集会 令和2年全直参が出席!

六代目山口組抗争下最後の決起集会 令和2年全直参が出席!

(提供:週刊実話)

正月休み最後の1月5日、六代目山口組(司忍組長)が気炎を上げた。司六代目をはじめ髙山清司若頭ら全直参が顔を揃え、令和2年のスタートを切る「新年会」を開催。単なる祝い事ではなく、5年目となる分裂抗争が山口組史上前例のない事態に突入することを受け、決起集会さながらの集結となったのである。

 六代目体制発足以降、新年会は司六代目の誕生会を兼ねて毎年1月25日に総本部で開かれてきた。前日までに誕生祝いのため稲川会(清田次郎総裁、内堀和也会長=東京)と松葉会(伊藤芳将会長=同)が総本部を訪問し、当日は全国の親戚・友好団体トップも招待されるという盛大な恒例行事だった。分裂後は親戚団体の参加は見送られてきたが、直系組長全員が顔を揃える年頭の重要行事として開催されてきた。

「しかし、昨年暮れに六代目山口組、神戸山口組(井上邦雄組長)に対する特定抗争指定が決定し、1月7日に官報で公示されて効力が発揮される。これまで、九州で激しい抗争を繰り広げた道仁会(小林哲治会長=福岡)と九州誠道会が指定された例しかなく、山口組では初めてのことだ。新年会の開催日を早めたのは、特定抗争指定を意識していたからに他ならない」(業界ジャーナリスト)

 両山口組が本部を置く兵庫県神戸市はもちろん、六代目側・三代目弘道会(竹内照明会長)が本拠を構える愛知県名古屋市、他に兵庫、愛知を含む大阪、京都、岐阜、三重の計10市が、各府県の公安委員会によって警戒区域に定められた。警戒区域内での組事務所の新設や、同じ組織の組員5人以上が集まるなどすれば、中止命令を行わずとも即逮捕となるため、組織の活動が著しく制限されるのだ。

「警戒区域に指定されていない市などで定例会を開催することは可能だが、現実的ではない。神戸市にある総本部が使用制限を受けて以降、司六代目が住む名古屋に集まり、当代の移動距離を極力短くしてきた。これは警備の関係もあるだろうから、今後、長距離移動は考えにくいのではないか。

 加えて、すでに六代目山口組は各ブロック会議で連携を図っており、定期的に全体会合を開かなくとも、組織が機能することを実証している。特定抗争指定は、激化の一途を辿る分裂抗争への抑止であるのは明らかで、分裂が終わるまで指定が解除されることはないだろう。つまり、今回の新年会が抗争中では最後の全体会合になるとみられ、その意味は大きいはずだ」(同)

 六代目山口組の拠点である総本部が使用制限を受けて以降、これまでに二度、全直参が集結しており、場所は同じく名古屋だった。使用制限直後の昨年10月18日に髙山若頭が出所し、翌19日に弘道会傘下の組事務所で出所祝いを実施。12月11日には「納会」を開き、組指針「和親合一」を発表している。そして、三度目の集結となる今回の新年会を境に、特定抗争指定という前例のない事態に突入するため、六代目山口組にとっては重要な意思確認の場であるともみられたのだ。

 当日、JR名古屋駅に白ネクタイを締めた礼服姿の直参らが続々と降り立った。そこから送迎車に乗り込み、午前10時半までには弘道会傘下の組事務所に全直系組長(一部代理)が顔を揃えた。約1時間後、髙山若頭や最高幹部らが出迎えに現れると、ガード車両を従えた司六代目の車両が到着。司六代目が入ると、建物内で新年会がスタートした。

「年始の挨拶も兼ねとるから、新たな気持ちで臨む一方、やはり『今年で分裂を終わらせる』という決意が各直参にはあったはずや」(ベテラン記者)

 コンパニオンが華を添えた盛大な宴席は、午後12時半には終了したようで、駐車場のシャッターが上がり、見送りのため執行部メンバーや弘道会最高幹部らが整列。司六代目が帰途に就くと思われた。ところが、30分以上経っても引き揚げる気配がなかったのだ。

「今後、こうして集まるのは難しいからか、司六代目も名残惜しかったんやないか。髙山若頭と話しとったのか分からんが、司六代目の車両は明らかに出発の準備をしとったから、イレギュラーで話が長引いたんは間違いないやろ」(同)

 午後1時すぎ、ようやく司六代目が姿を見せ、車両に乗り込んで去っていった。すると、直系組長らも一斉に引き揚げたのである。

「カラオケ大会はやらんかったみたいやけど、頬を赤く染めた直参もおって、和やかな宴席やったんが伝わってきたわ。まあ、それも表面上のことであって、分裂抗争という現実を見据えとるはずやけどな」(同)

 実際、執行部は建物内に留まったままで、名古屋市内では最後となる重要な話し合いが行われた模様だ。

「組織の舵取りを担うだけに、特定抗争指定の効力が発生したあとの連携など、議題は多かっただろう。何より、髙山若頭の出所後、六代目山口組による攻勢が激しさを増したのは、事態収拾を急いだからではないか。

 神戸側は清崎達也幹部(四代目大門会会長=熊本)が襲われ、青木和重幹部(五龍会会長=北海道)の自宅兼事務所に車両特攻が起き、果ては古川恵一幹部が兵庫・尼崎で射殺された。その直後に、太田守正元舎弟頭補佐が引退し、新たな離脱者の噂も出ているほどだ。これが六代目山口組の狙い通りだったとすれば、事件は再び起きかねない」(前出・業界ジャーナリスト)

★最高幹部らが“代理参拝”

 異例となったのは、新年会だけではなかった。昨年の大晦日、総本部近くの神社で「初詣」が行われたのだが、最高幹部らが“代理参拝”したのだ。

 毎年、大晦日の夜には全国から直参が総本部に駆け付けていた。新年の訪れと同時に初詣を行った司六代目や、最高幹部らが総本部に戻ると、恒例の「年始の挨拶」が行われてきたが、今年は総本部の使用制限に伴い中止。近所で話題となる豪勢な門松も飾られず、正門や駐車場シャッターにしめ縄飾りがある程度で、静寂に包まれていた。

 そんな総本部とは対照的に、近くにある神戸護国神社の境内には、兵庫県警の捜査員やテレビ局などの報道陣が多数集まり、六代目山口組一行を待ち構えていたのだ。

 分裂以降、初詣の際には兵庫県警が厳戒態勢を敷いており、この日も社務所裏の拝殿入り口に通じるスペースに規制線が張られた。さらに、境内に通じる通路には車止めが設置され、一般参拝客以外の車両の乗り入れが禁止された。

「総本部が使えんようになっとるから、司六代目が来る可能性は低かったんや。けどな、司六代目が服役しとった時期にも髙山若頭が欠かさず参拝しとったし、六代目山口組の方針からすれば、誰かしら直系組長が来るやろと予想しとったで。県警も、兵庫県内で対立事件が相次いで起きて、死者も出とるもんやから、不測の事態に備えとったいうわけやな」(地元記者)

 実際、新年を迎える午前0時前になって、事務局長の篠原重則幹部(二代目若林組組長=香川)と、弘道会の桑原達彦舎弟が礼服姿で姿を現した。さらに、篠原幹部らが規制線内で待つ中、安東美樹若頭補佐(二代目竹中組組長=兵庫姫路)と慶弔委員の野元信孝・三代目岸本組組長(兵庫神戸)が現れ、拝殿へと向かったのである。

「“代理参拝”は平成18年以来のことで、あのときは司六代目が収監されとった。当時の最高幹部たち3人が参拝して、渡辺芳則五代目時代の平成7年以来、山口組の初詣が11年ぶりに復活したんや。以降、恒例になっとったわけやが、今回は非常事態下ゆえのことで、総本部への使用制限の余波を否応なく感じたで」(同)

 山口組再統合を祈願したと思われ、特定抗争指定の効力発生を間近に控えて、波乱の年が幕を開けた。

★起訴後に拠点を家宅捜索

 年の瀬にも警察当局は“プレッシャー”を掛け続け、兵庫県警本部で六代目山口組への特定抗争指定に向けた意見聴取(組側は欠席)が行われた翌日の12月24日、安東若頭補佐率いる竹中組本部に家宅捜索を実施。周辺に赤色灯を点けたパトカーなど捜査車両が配置され、ジュラルミン製の盾を手にした機動隊員が張り付け警戒を続ける中、午後1時に捜査員15人が組事務所に入った。捜索自体はわずか30分で終了したが、当局の執拗さがうかがえたのだ。

「古川幹部が射殺された事件でのガサやったんやが、殺人と銃刀法違反容疑で逮捕された朝比奈久徳元組員は、竹中組を約1年前に処分されとる。しかも、12月20日に同罪で起訴されとるんや。起訴後のガサなんて珍しいで。捜査本部では事件への組織的な関与を追及してきたようで、朝比奈元組員から供述が得られんかったから、苦し紛れに竹中組へガサを打ったんちゃうか。組織的背景についての捜査を継続するいうアピールでな」(関西の組織関係者)

 これまで、六代目山口組からは長野、岡山、名古屋、そして五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)本部近くで起きた射殺事件で、複数のヒットマンが出た。いずれも当局は組織的背景を疑ってきたが、突き上げ捜査が実現されることはなかった。そうした苦い思いが、竹中組への捜索に感じられたのだ。

 しかし、六代目山口組は意に介することなく、12月29日には親戚団体である松葉会・伊藤会長の誕生祝い訪問を行っていた。高木康男若頭補佐(六代目清水一家総長=静岡)、塚本修正・藤友会会長(静岡)、浜田重正・二代目浜尾組組長(神奈川)が松葉会本部に駆け付け、笑顔を見せた。その姿は分裂前と何ら変わらず、抗争中であることを忘れさせるほどだった。

「六代目山口組には確信があるのだろう。敵対組織への切り崩しだけではなく、武力行使も展開してきたからな。特定抗争指定を受けることも、当局が動きを把握しづらくなるという点では好都合なのかもしれない。持久戦になるのではなく、実際にはゲリラ戦が繰り広げられる可能性もある。そうなった場合の“最後の一手”を、すでに六代目山口組は用意しているはずだ」(他団体幹部)

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