衝撃 六代目山口組vs松葉会 直系組織にダンプ特攻

衝撃 六代目山口組vs松葉会 直系組織にダンプ特攻

(提供:週刊実話)

人々が寝静まっていた時間帯に、突如として住宅街で轟音が上がった。

「これまでに聞いたこともないような大きな音がして、目が覚めたよ。何が起きたのかと思って外に出たら、大きなトラックが止まって道路に砂利が散乱していた。交差点でもないし、目の前にあるのはヤクザ関係の建物だって聞いていたから、これは事故じゃないと思ったね」(近隣住民A)

 1月17日の午前3時45分ごろ、東京都足立区にある3階建ての建物に、ダンプカーが突入した。レンガ造りの外壁には大きな穴が空き、鉄製とみられる頑丈なドアも枠から外れて大破。建物正面は広範囲にわたって損壊したのだ。
「建物から人が出てきて、状況を確認していた。でも、私が見たときにはトラックはもぬけの殻だったよ」(同)

 業界内に拡散された発生直後の現場を捉えた画像を見ると、ダンプカーは後方を建物に向けて、2車線の道路を塞ぐようにしてヘッドライトを点けたまま横向きに止まり、荷台を完全に上げていた。その荷台に積まれていた砂利は、建物前の歩道から路面まで数メートルにかけてブチ撒けられ、ダンプの後方部分では盛り上がるほどの量だった。

「砂利を積んで衝突時の威力を強めとったんやろ。平成28年に全国各地で六代目山口組(司忍組長)と神戸山口組(井上邦雄組長)の抗争事件が爆発的に起きて、トラック特攻も頻発したとき、神戸市内にある山健組の傘下事務所(当時)に、荷台に砂利を満載にしたダンプが突っ込んだ事件があった。その現場は通りが狭く、ダンプも勢いを付けづらかったから砂利を積んだんやろうが、今回は2車線の通りで起きとる。かなりの威力やったはずで、単なる喧嘩とちゃうと思うたで」(ベテラン記者)

 組織関係者らの間では、即座に“ダンプ特攻”の一報が広まった。被害を受けた側として、六代目山口組の直系組織の名前が上がったからだ。

「ダンプが突っ込んだのは、六代目山口組直参の竹嶋利王会長が率いる良知二代目政竜会の関係先だった。ケガ人はいなかったが、神戸山口組との抗争が激化している最中だし、ついに警戒区域ではない東京で始まったかと思った」(関東の組織関係者)

 山口組の分裂後、都内では敵対組織間で乱闘事件こそ起きたが、以降、衝突は確認されておらず、“無風地帯”となっていた。
「今年7月からは東京オリンピックという国家的イベントが開かれるため、警察当局は色めき立ったはずです。神戸山口組による犯行だったならば、東京都でも特定抗争指定の準備が進められることになり、都内はほぼ全域が警戒区域となる可能性が高い。それほどまでに、オリンピックの影響は大きいと思われます」(全国紙社会部記者)

 事件が起きた良知二代目政竜会の関係先は、平成17年に開通したつくばエキスプレス・六町駅から西に約700メートルの距離にあり、周辺には小学校や保育園が建っている。発生当日の昼間も、芝生のある広場では園児たちが遊び回り、小学校の校庭でも授業が行われていた。しかし、区画整理が進められ、広範囲にわたって造成工事が行われる地域と通りを隔てた事件現場には、制服の警察官が立ち、パトカーが停車。物々しい雰囲気が漂っていたのだ。

 被害を受けた建物の損壊部分はブルーシートで覆われて、砂利も片付けられており、人の気配は感じられなかった。目の前を通る2車線の道路は、幹線道路に通じるため交通量が多く、トラックなどが夜明けとともに行き交う。周辺住民はその騒音によって朝を迎えたことに気付くほどだというが、事件当日は明らかに違う音を耳にし、異変に気付いたとも話す。

「私はテレビを観ていてガシャーンという音を聞いたけど、重い物が倒れたのかと思った。まだ車が行き交うような時間でもないのに、そのうち人の声がうるさくなって。パトカーも集まってきたから、ただ事ではないと分かった」(近隣住民B)

 また、被害を受けたのが組織関係の建物だということは、多くの住民が以前から知っていたという。
「組員らしき人物の出入りも昔から見たし、よく近くに神戸ナンバーとかの高級車が止まっていたからね。付き合いは一切ないけど、目立つことはなくトラブルもなかった」(近隣住民C)
 被害に遭った良知二代目政竜会の竹嶋会長は、初代良知組・良知政志組長の死去に伴い、二代目を継承。昨年12月に静岡県から東京に拠点を移し、関東ブロックの所属となった。同時に組織名も良知二代目政竜会に改称。その関係先にダンプ特攻が起きたことで、緊張が走ったのだ。

★双方の最高幹部がテーブルに

 事件は東京という“無風地帯”で起きたが、それ以上に組織関係者らが「予想外だ」と口を揃えたのは、実行犯として逮捕された人物の所属先だった。

「ダンプを突っ込ませたとする建造物損壊の容疑で、東京に本部を置く松葉会(伊藤芳将会長)傘下の山本節哉組員が警視庁によって逮捕されました。実は、山本組員は事件直後、最寄りの警察署に出頭していたのです。警視庁は任意で事情聴取を行い、身代わり出頭ではないかなど慎重に調べていたようです」(前出・全国紙社会部記者)

 業界内の緊張は一気に解けたが、松葉会は六代目山口組の親戚団体であり、本来ならば攻撃を仕掛けるような間柄ではない。そのため、事件が起きた背景には不穏さが感じられたのだ。

「山本組員は、犯行の動機を『松葉会の縄張りに堂々と六代目山口組の組事務所があるのが許せなかった』と供述したそうです」(同)

 しかし、前出の近隣住民が話したように、被害に遭った建物が組織の関係先であることは、竹嶋会長が二代目を継承する前から知られており、六代目山口組との揉め事は皆無だった。

 むしろ、松葉会は平成19年に親戚関係を結んで以降、夏と暮れには時候の挨拶のため総本部を訪れるなど、頻繁に行き来していた。

 六代目山口組・髙山清司若頭の出所後には、髙山若頭が極秘で上京し、伊藤会長と顔を合わせている。その食事会は2時間にも及び、両者の信頼関係の深さを物語っていた。さらに、昨年12月29日の松葉会・伊藤会長の誕生日にも、六代目山口組の高木康男若頭補佐(六代目清水一家総長=静岡)らが祝いに駆け付け、結束の強さをみせたのだ。
「それにもかかわらずダンプ特攻が起きた背景には、双方とも一歩も引けない事情があったのか、もしくは山本組員が走ってしまっただけなのかもしれない。いずれにせよ、事件当日には松葉会本部で双方の最高幹部が話し合いのテーブルに着き、和解したと聞く。親戚だからこそ“スピード解決”に至ったといえる」(前出・関東の組織関係者)

 一時は六代目山口組VS松葉会という構図にみえたが、六代目山口組による松葉会への報復攻撃などは起きないことを意味していた。

 東京には、松葉会を含め関東最大組織の住吉会(関功会長)、稲川会(清田次郎総裁、内堀和也会長)など複数の団体が本部を置いている。六代目山口組直系組織では藤井英治若頭補佐の五代目國粹会、佐藤光男会長の落合金町連合が本拠を構えているが、目立ったトラブルは起きていない。むしろ、稲川会、松葉会とは頻繁に親交を深める場を設け、定期的に食事会を開くなどしてきた。

「だから今回の事件が、よく疑われるような組織的犯行ということは考えにくい。砂利を積んだダンプカーを調達しているから、計画的ではあったと思うが、個人的な感情で動いたんじゃないか。そうでなければ、業界内の関係が一変してしまうからね。今は平和が戻っているよ」(他団体幹部)

 ただ、警察当局の空気は違うという。

「組織間で揉め事が起きたとみており、オリンピックを控えた首都・東京での事件に、当局は相当ナーバスになっているようです。抗争事件ではないにせよ、これまでに東京で起きた六代目山口組対神戸山口組の乱闘とは異なり、住宅密集地でのダンプ特攻ですから。共犯者の存在も疑い、山本組員に対して厳しい取り調べを行っていると思われます。今後、事件が起きないよう両組織への取り締まりを強化し、抑止に動くのではないでしょうか」(別の全国紙社会部記者)

 東京オリンピックの開催まで、残すところ約200日。警察当局とのバトルも激しさを増すことが予想されるが、何より警戒を示しているのは5年目を迎えた山口組の分裂問題だろう。髙山若頭の出所後、神戸山口組幹部が相次いで被害に遭い、古川恵一幹部が射殺された。東京に限らず、重大事件が起きることを当局は最も避けたいはずで、緊迫した状況が続いている。

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