水面下で進む戦略 神戸山口組“機密文書”の中身

水面下で進む戦略 神戸山口組“機密文書”の中身

(提供:週刊実話)

指揮官といわれた中田浩司若頭代行(五代目山健組組長=兵庫神戸)が、弘道会“神戸拠点”での組員銃撃事件で逮捕、起訴されるなど、厳しい状況にある神戸山口組だが、ひそかに守りを固めていることが分かった。同時に、攻めに転じる布石ともみられ、さらなる分裂抗争の激化が危ぶまれているのだ。

 その根拠は、特定抗争指定の効力が発生して以降に、神戸山口組内部で配布された数枚の文書にあった。

「Q&A方式で解説された《特定抗争指定暴力団とは》と題された紙が、各直系組織に配られた。特定抗争指定の規定に違反すると3年以下の懲役、500万円以下の罰金が科されるリスクと、暗にその回避方法がレクチャーされている。警戒区域内での基本的な禁止事項から、日常に関わる行動の注意まで、複数の項目にわたって書かれていた」(他団体幹部)

 最も詳細に解説されているのが、警戒区域内における「多数での集合」についてだという。

「人数制限は《最高4人まで》だが、六代目山口組の直系組織の組員たちが大阪府警に逮捕されかけたことがあったから、一般人が多くいる繁華街など、場所と状況によっては注意が必要だと。いかんせん、警察のさじ加減だからな。新幹線で偶然、同じ組織の人間と出くわした場合は《それぞれの場所を離れる》や、車での移動の際には《固まって走行しない》など、具体的な内容も記されている」(同)

 さらに、人数だけではなく他団体への訪問についても注意が促されていた。

「特定抗争指定は六代目山口組と神戸山口組に対するものだから、他団体への規制は無関係だと思っていた。だが、訪問頻度が多いと常駐していると見られ、カタギでも組員扱いされかねないということだ」(同)

 1月29日には、神戸山口組・山健組傘下で、警戒区域の大阪市内にある組事務所に貼られた使用禁止の標章を破ったとして、大阪府警が暴対法違反(標章損壊)の疑いで男を逮捕したと発表。同7日に効力が発揮されて以降、特定抗争指定に絡む逮捕者は全国で初めてだが、逮捕された男は一般人だった。組員でなくとも容赦しない、という府警の強気の姿勢がうかがえたのだ。

「特定抗争指定は両山口組の抗争抑止が目的で、警戒区域内には組事務所はもちろん、それぞれの当代の自宅も含まれており、警察当局は監視の目を強めています。三重県での発砲事件を受け、今後、ますます厳しくなるでしょう」(全国紙社会部記者)

 神戸山口組が特定抗争指定に対して万全の態勢を敷いた背景には、自身の組織から逮捕者を出さないためだけではなく、厳しい規制の中での戦い方も自ずと説いている印象がある。

「自由が奪われるのは、六代目山口組も同じことだからね。守りを強固にしてから、反撃に打って出る可能性もある。定例会なんかが今までのように定点で開かれていないから、皮肉なことに警察は特定抗争指定によって、組織全体の動きを把握しづらくなった。これは組織にとって、好都合でもあるんじゃないか」(前出・他団体幹部)

 警察当局が実態把握に躍起になっているためか、神戸山口組・井上邦雄組長と最も距離が近い九代目酒梅組(大阪)の吉村光男総裁が、1月27日、大阪府警西成署によって恐喝未遂と傷害の疑いで逮捕された。

「吉村総裁は井上組長に頻繁に同行しとったから、府警は狙いを定めたのかもしれん。大阪には、神戸側の直系組織も本拠を構えとるしな」(関西の組織関係者)

 特定抗争指定は分裂が終結するまで解除されない見通しで、神戸山口組が存続する限り、規制はついて回ることになる。その中で、どう戦っていくのか、予測の付かない状況が続く。

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