未解決事件と対警察当局 相次ぐ“重要人物”の逮捕

未解決事件と対警察当局 相次ぐ“重要人物”の逮捕

(提供:週刊実話)

分裂抗争は六代目山口組、神戸山口組だけの問題ではなく、警察当局との闘いも激しさを増している。

 昨年4月に五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の與則和若頭が刺傷され、8月には六代目山口組・髙山若頭の別宅が隣接する弘道会の“神戸拠点”で組員が撃たれて重傷を負った。その報復とみられたのが、髙山若頭出所直前の10月、山健組本部の至近距離で組員2名が射殺された事件だった。さらに、11月には神戸山口組・古川幹部が命を奪われたのである。

 一連の事件は、すべて兵庫県内で発生し、弘道会“神戸拠点”での銃撃実行犯として逮捕された山健組・中田組長を含め、いずれの事件の逮捕者も起訴された。

 しかし、兵庫県内で起きた射殺事件の中には、現在も捜査が続けられる“未解決事件”がある。

「平成29年9月に、任侠山口組(現・絆會)の織田絆誠会長を狙って起きた山健組系組員による射殺事件や。織田会長は無傷やったが、実行犯の黒木(本名・菱川)龍己組員が、ガード組員の頭部に弾丸を発射して命を奪い、現在も逃亡しとる」(地元記者)

 黒木組員は殺人と銃刀法違反の容疑で指名手配され、兵庫県淡路市や中田組長の出身地である和歌山県などでの潜伏説も囁かれた。しかし、依然として行方が分かっておらず、事件の全容解明には近づいていない。

 ある他団体関係者は、分裂抗争が混迷の度合いを深める今、黒木組員の存在についてこう話す。

「あの射殺事件では防犯カメラ映像に、もう一人、自動小銃のような物を持った怪しい人物が映っていた。チームプレーだったとすれば、黒木組員は織田会長たちの注意を引きつける役割を担っており、キッチリ果たしたことになる。それだけの使命感を持った組員なら、再び組織のために体を懸けることも、いとわないかもしれない」

 今年2月には、三重県桑名市にある髙山若頭の邸宅に銃弾が撃ち込まれ、五代目山口組時代(渡辺芳則組長)の直系組織だった中野会(解散)の元組員が逮捕、起訴された。動機は個人的な恨みだと供述したが、警察当局は神戸山口組との繋がりも視野に入れていたという。しかも、特定抗争指定によって定められた警戒区域内での発砲事件は、想定外だったはずだ。

「弘道会から出たヒットマンは、当時、全員が現役組員だったが、特定抗争指定は山口組にとって初めてであり、双方とも戦術を変えていく可能性はある。重要なのは目的を遂げることであり、それには時間が掛かるだろう」(同)

 警察当局は警戒を強め、両山口組の“重要人物”を相次いで逮捕。特に大阪府警の攻勢は熾烈を極めた。

 1月27日に神戸山口組・井上組長と密接な関係にある九代目酒梅組・吉村光男総裁(大阪)を傷害と恐喝未遂の容疑で逮捕、起訴し、2月28日、恐喝容疑で再逮捕。井上組長の側近である山健組・藤岡宏文若頭補佐も、同容疑で逮捕した。3月9日には、神戸山口組直参の小嶋恵介舎弟(二代目中野組組長=大阪堺)を別の恐喝容疑で逮捕。その間の3月3日、兵庫県警も直参の福原辰広幹部(邦楽會会長=兵庫姫路)を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕しており、年明けから神戸山口組への攻勢が目立っていたのだ。

 一方の六代目山口組にも取り締まりの手は伸び、3月4日には植野雄仁・二代目兼一会会長(大阪中央)が、またしても大阪府警によって傷害の疑いで逮捕された。同7日には愛知県警も動き、弘道会の統括委員長である松山猛・十代目稲葉地一家総長を風営法違反容疑で逮捕。

 松山総長に関しては、無許可でガールズバーを営業していたとする事件で、暴力団犯罪を扱う四課による立件ではなかった。しかし、県警は店の売り上げが組織の資金源になっていたとみており、今後、四課による捜査の可能性も否定できないという。

「特定抗争指定が掛かって以降、六代目山口組も神戸山口組も秘密裏に会合を開くようになり、動向自体が不透明になっています。その焦りもあるのか、警戒を強化し、抗争抑止のために逮捕に乗り出している印象です」(全国紙社会部記者)

 東京オリンピックを控えた都内では、良知二代目政竜会(竹嶋利王会長)の足立区にある元本部に対して、区が使用差し止めの仮処分を申請し、3月11日に東京地裁が決定を下した。

 六代目山口組とは親戚関係にある松葉会(伊藤芳将会長=東京)の傘下組員が、ダンプカーを突入させる事件が1月に起き、区が敏感に反応を示した結果だった。

「山口組の分裂抗争とは無関係にもかかわらず、足立区が事務所への使用差し止めを即座に申請した背景には、女性区長が警視庁出身というのも影響していたと思います。今後、両山口組の事件が起きたとなれば、警戒区域を拡大して、規制を掛けていくでしょう」(同)

 しかし、六代目山口組はブロック会議によって連携を保ち、中田若頭代行の不在によって苦境に立たされたかに見えた神戸山口組もまた、団結を強化しているのが実情だ。

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