神戸山口組 井上邦雄組長 岡山“極秘出陣”の真意

池田組の前谷祐一郎若頭が銃撃される 神戸山口組の井上邦雄組長が岡山を訪問し憶測

記事まとめ

  • 神戸山口組の池田孝志最高顧問率いる池田組の前谷祐一郎若頭が5月に銃撃された
  • 報復や追撃が危惧される中、神戸山口組の井上邦雄組長が岡山県内に姿を現したという
  • 前谷若頭の見舞いが前提だが、結束強化の意味もあって井上組長が動いたという見方も

神戸山口組 井上邦雄組長 岡山“極秘出陣”の真意

神戸山口組 井上邦雄組長 岡山“極秘出陣”の真意

(提供:週刊実話)

銃撃事件が起きた背景には、岡山県内の勢力争いが大きく関係しているはずだ」(業界ジャーナリスト)

 神戸山口組(井上邦雄組長)・池田孝志最高顧問率いる池田組(岡山)の前谷祐一郎若頭が5月30日、組事務所前で銃撃された事件は、六代目山口組(司忍組長)の再統合に向けた方針を浮き彫りにしたといえた。

 発生当初から多くの関係者が予想した通り、六代目山口組による襲撃であり、森尾卯太男本部長率いる大同会(鳥取)の岸本晃生若頭代行が、事件当日に銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。池田組の若頭が狙われたのは二度目であり、今回の事件には池田組に対する“最終警告”の意味すら感じられたのだ。

「4年前の5月31日、池田組の髙木昇若頭が三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)傘下に所属していた組員によって射殺された。今回の事件は、その髙木若頭の法要が営まれたあとに起きている。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が全面解除された5日後でもあり、計画的な犯行だったという見方が強い」(同)

 また、業界内では、岸本若頭代行が使用した拳銃に関しても、取り沙汰された。

「22口径の回転式拳銃やったと聞くが、ヒットマンが使うような道具やないで。口径が小さいもんやから、殺傷能力も高くない。組事務所に乗り込む時点で人が大勢おるのは分かっとるはずやし、そんなところに持って行くようなモンちゃうで」(関西の組織関係者)

 犯行の一部始終を捉えた防犯カメラ映像を見ると、池田組の敷地内である駐車場に何食わぬ顔で足を踏み入れた岸本若頭代行は、やや離れた場所から前谷若頭に銃口を向けて発砲。弾が逸れた直後、前谷若頭は回り込むようにして岸本若頭代行に突進したが、掴み掛かる寸前に向き合う格好となり、被弾した。その後、腹部に入った弾の摘出と損傷部分を回復するため緊急手術を受け、一命を取り留めたのである。

「銃撃されたあとも意識はハッキリしていたそうで、危険な容体ではあったが、最悪の事態にはならんかった。今は順調に回復しとるようやしな」(同)

 4年前、弘道会系組員が髙木若頭に至近距離から放った弾は心臓を貫通し、骨に当たって弾道を変え、胸から抜けていたという。

「あのときは小さい口径やなかったし、至近距離で撃つのを想定しとったはずや。今回は命を奪うつもりはなく、あくまで警告の意味を伝えるための犯行やったんと違うか」(同)

 しかし、ある他団体幹部は自身の体験を踏まえて、こう否定した。

「昔、抗争に発展して事務所への撃ち込みが頻発してね、それを防ぐために夜中は外で警備してたんだ。そこに敵対する組員たちが車で乗り付けて、拳銃を乱射してきた。間一髪のところで身をかわして無事だったけど、あっちは殺すつもりだったはずだ。そうでなければ拳銃を使わないし、人がいると分かっているのに銃口を向けないだろう。今は厳罰化されて量刑も重くなったが、我々の気質が根底から変わることはないと思うよ」

 前谷若頭が銃撃されて以降、岡山県警では六代目山口組、神戸山口組双方の関係先で張り付け警戒を実施。報復、追撃を危惧しているのは明らかだった。そんな緊迫した状況にもかかわらず、神戸山口組トップの井上組長が突如、岡山県内に姿を現したというのだ。

★山健組から絶縁、破門

「事件から約1週間後、負傷した前谷若頭の見舞いのため池田組本部を訪れたようだ。前谷若頭は、まだ入院先の集中治療室にいて面会もできんから、本部に行ったのだろう。昨年には亡くなった髙木若頭の命日近くに墓参しとるし、神戸山口組トップとしての強い思いが感じられるな。ましてや今回は、危険も承知の上で兵庫県を出たはずだ」(山口組ウオッチャー)

 6月5日には、六代目山口組・髙山清司若頭が上京。新幹線を使わず車両で移動したといわれ、異例の厳戒態勢を敷いての移動だった。

 そのため、同様に危険が付きまとう中で井上組長が岡山入りしたのは、単なる見舞い目的ではなかったという見方もされたのだ。

 岡山県内には、六代目山口組の直系組織である二代目大石組(井上茂樹組長)と三代目杉本組(山田一組長)が、神戸山口組は池田組と三代目熊本組(藤原健治組長)が勢力を張る。そのうち大石組と池田組は岡山市内に組事務所を構え、睨み合ってきた。さらに、岡山市内には神戸山口組の中核組織である五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の三代目妹尾組をはじめ、複数の直系組織も本拠を構えている。兵庫県を本拠地とする神戸山口組にとって、岡山県は西の重要な勢力なのだ。

 六代目山口組としのぎを削り続けてきた大阪では、昨年に太田興業(太田守正組長=引退)が解散し、今年5月には京都の雄成会(髙橋久雄会長=引退)も解散。東京唯一の直系組織だった二代目誠会(安岡俊蔵会長=引退)も解散し、東側の勢力は一時期よりも縮小された印象だ。しかも、山健組の中田組長は弘道会の神戸拠点で起きた銃撃事件の実行犯として、現場不在を余儀なくされている。

「神戸山口組の態勢が盤石とはいえない状況だからこそ、六代目山口組は今度は西の勢力である岡山の陥落を狙っているのではないか。池田組・前谷若頭への銃撃事件は、その一環だった可能性もある」(前出・業界ジャーナリスト)

 さらに、井上組長の池田組への訪問については、不穏さが感じられるという。

「もちろん、見舞いが前提だろうが、結束強化の意味もあって本人が動いたとみている。岡山の守りを固めるための“出陣”であり、同時に報復を暗示しているようにも思えた」(同)

 当の池田組には、岡山県警が暴対法に基づく使用制限の仮命令を出し、6月11日、岡山県公安委員会が組側への意見聴取の場を設置。関係者は出席せず、公安委員会は本命令への手続きを進める方針だという。

「ここまで分裂問題が混迷を極めるとは、誰も思わなかったはずだ。複数の死者を出し、神戸山口組が割れ、山口組史上初めて総本部が使用禁止となる事態に直面し、双方とも犠牲を払い続けている。だが、井上組長たちは神戸山口組の結成当初、各関係先に送った書状の中で、六代目山口組を離脱した理由について、《仁俠道の本分に回帰致し歴代山口組親分の意を遵守する為》としていた。その方針に変わりはないはずで、存続のため戦い続ける覚悟なのではないか」(同)

 山健組では中田組長の不在が続くが、6月4日には執行部メンバーである山之内健三若頭補佐が出所した。その直前に山之内若頭補佐の誠竜会から普天間聡元若頭が、弘道会の野内組傘下に移籍するなど、切り崩し工作が活発化。普天間元若頭ら計5人が、6月5日付で絶縁処分となった。さらに、山健組直参で誠竜会の副組長を兼任していた岡本政厚・東誠会会長の破門も、同日付で決定していた。

「移籍ではないようだが、致し方ない事情があった上での処分やったらしいで」(ベテラン記者)

 六代目山口組の攻勢に神戸山口組はどう応戦するのか。緊張が高まっている。

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