関東大震災の前触れ 神奈川・三浦半島「ガス田漏れ」異臭騒ぎ

関東大震災の前触れ 神奈川・三浦半島「ガス田漏れ」異臭騒ぎ

(提供:週刊実話)

「3・11の東日本大震災で日本の地下がリセットされ、何が起きても不思議ではありません。先頃、三浦半島で起こった異臭騒ぎは不気味ですね。原因となる説を消去法で消していくと、結局、異臭の原因は地下の異変ではないかということになる。しかも、三浦半島の地下にはガス田がある。とすると、地下の異変の結果、ガスが漏れ出てきたのではないかとも考えるのが自然でしょう」

 こう語るのは防災ジャーナリストの渡辺実氏である。

 神奈川県南部の三浦半島、三浦市で6月4日夜、原因不明の異臭騒動が発生した。横須賀市消防局によると、4日午後8時8分頃、三浦市南下浦町金田地区から「ゴムの焼けたようなニオイがする」と119番があった。そのほか、同午後9時55分頃までに約200件の通報があったという。逗子市でも消防に異臭の通報が寄せられた。

 原因として赤潮・青潮説やクジラ漂流説なども挙がったが、クジラは漂流していないし、赤潮の場合は人が感知できるニオイは少ないという。青潮だともっと生臭いニオイがする。記者も三浦半島の一角に住んでいるので分かるが、硫化物を含む海底近くの水が風で海面に上昇し青白く見える青潮は腐乱臭が漂い、その場にいることすら困難だ。

 地元住民の間では「ひょっとすると、大地震の前兆ではないか」と不安視する声が上がっているのだ。

 武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が言う。

「三浦半島には活断層が多いしガス田もある。活断層が動いて、地下深くのガスが漏れてきた可能性もある。いずれにせよ、東日本大震災以降、日本の地下は非常に静かな状態から普通の状態に戻り、あちこちで地震が頻発しています。今回の異臭騒ぎも大地震の前兆現象の一つと考えていいと思いますね」

 三浦半島は、首都圏などの北米プレートと、日本列島を南から押し上げるフィリピン海プレートとの境界である相模トラフ上にある。そうなると、怖いのは関東地震である。

「相模トラフは日本列島が乗る陸のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、さらにその下には太平洋プレートが沈み込む非常に複雑な地形をしている。しかも、1703年の元禄関東地震や、死者が10万人超に達した1923年の関東大震災など周期的に大地震を起こしてきた。関東地震は200年周期とされ、周期の間に首都直下型地震が発生している。東日本大震災で関東地震の時期が早まったとされ、10年、20年先どころか、今すぐ起こっても不思議ではないと言われています」(島村氏)

 実は元禄関東地震を調べてみると、関東大震災より大きな地震だったことが記録に残っている。

「元禄関東地震では、鎌倉の鶴岡八幡宮まで津波が到達したという記録がある。ここは海岸から内陸に2㎞も入ったところで、関東大震災ではそこまで津波は到達していない。さらに元禄関東地震では、小田原にも津波が来たという記録があるが、関東大震災では来ていないのです」(サイエンスライター)

 つまり、関東大震災よりもひと回り大きな地震が元禄関東地震だったのである。さらに、政府の地震調査委員会は、30年以内に横浜で震度6弱以上の地震が発生する確率を82%(2019年)と発表している。

 話を三浦半島に戻すと、同半島は活断層が数多く走っていることで知られている。とりわけ、東日本大震災が発生したことにより、これらを震源とする地震の可能性が高まったのは、武山(横須賀市)、衣笠・北武(横須賀市葉山町)、三浦半島断層群南部(三浦市)の3つの活断層帯だ。

「東日本大震災後、東日本周辺で揺れを伴わずに断層がゆっくりとずれる『余効すべり』という現象が起きて力が加わり、断層が動きやすくなったのです」(同)

 3つの活断層帯について今後、30年以内にM6.6以上の地震が起きる確率は、武山断層帯が6〜11%、衣笠・北武断層帯がほぼ0〜3%、三浦半島断層群南部は過去の地震の平均活動間隔が正確に分かっておらず、地震調査委員会は「確率不明」としている。

 ところで、関東大震災前の100年間に、南関東地方ではマグニチュード7程度の直下型地震は計7回も発生している。

「東日本大震災後の地震のことなんて、誰にも分らないと思いますよ。しかし、テンパっていることだけは分かる。6月10日0時22分頃、土佐湾で震度4の地震があったと知人から連絡がありました。M4.6で震源の深さは20㎞だったが、もしこれが震度5、6だったら南海トラフ巨大地震に繋がっていたと思います」(前出・渡辺氏)

 南海トラフではないが、1995年の阪神・淡路大震災の前にも六甲山の東端地域で異臭が発生している。

「阪神・淡路大震災の1カ月くらい前から断続的に異臭が続いたそうです。三浦半島の異臭騒ぎもそうだとすれば、警戒が必要です。月の引力が最も強くなる6月の満月は7日、新月は21日です。7日は茨城、千葉で震度1、2の地震があった。すると、21日の新月は要注意ですね」(前出・サイエンスライター)

 本誌では再三指摘しているが、怖いのはコロナ禍における大地震とのダブル被災だ。

「国も新型コロナ対策にばかり気を取られていないで、地震対策をもっとやるべきです」(前出・渡辺氏)

 酷暑も重なったら最悪だ。

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