飲み残し薬チェック 「節薬バッグ」で医療費抑制

飲み残し薬チェック 「節薬バッグ」で医療費抑制

横須賀市薬剤師会などが運用を始める「節薬バッグ」=同市林の不動薬局

 家庭などで飲み残した医薬品を次回の処方量に反映させるため、横須賀市薬剤師会は今秋から「節薬バッグ」の運用を試行する。医療費の抑制や患者の窓口負担軽減に、街の薬剤師が一役買う仕組みだ。趣旨に賛同する同市周辺の保険薬局60店舗以上で先行実施する予定で、削減効果などを見極めながら三浦半島全域に広げていきたい考えだ。 市薬剤師会の若手会員らでつくる新薬剤師委員会が、地域貢献活動の一環として発案。処方された本人のみの有効活用が前提で、横須賀にちなみ濃紺の「ネイビーバッグ」3千枚を作成し三浦市、逗葉の両薬剤師会と共同で取り組む。

 参加薬局は患者の希望に応じてバッグを配布。過去に処方されたが使い切れなかった医薬品などを持参してもらい、使用期限などをチェックする。新たに同じ薬を処方する場合、重複分を減らすよう医療機関や主治医と調整するほか、複数の薬局を利用する患者の飲み合わせも確認し、誤服用防止や副作用のリスク軽減にもつなげる。

 委員会は、各薬局から実践例などを報告してもらい、費用削減効果を検証したい考え。担当者は「バッグの使用方法を周知して活動を広め、今後は介護関連施設などにも配置してもらえるよう、働き掛けたい」としている。

 横須賀市によると、14年度の市民1人当たりの医療費は約34万9500円で、09年度の約30万2千円から1割以上増加。一方で、患者が処方薬を飲み忘れたり、服用をやめたりすることで生じる残薬は全国で年間約500億円程度とする試算もある。

 市と市薬剤師会は8月下旬、価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進へ、独自に推奨店を認定する制度を導入。今回の「節薬バッグ」の取り組みとともに、業界を挙げて医療費の削減に努めていく。