戦争と平和に思いはせ 平塚市美術館、25周年記念し特別展

戦争と平和に思いはせ 平塚市美術館、25周年記念し特別展

香月泰男のシベリアシリーズを展示する会場

 戦争の犠牲となった人々の記憶や思いにあふれた平塚市美術館(同市西八幡)25周年記念の特別展「香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治」が開かれている。11月20日まで。原爆投下直後のヒロシマを描いた水墨画やシベリア抑留の情景を独特のタッチで描いた油彩画、特攻隊員の遺影を切り取った写真群が改めて「戦争と平和」に思いをはせるよう迫ってくる。

 県内で洋画家・香月泰男(1911〜74年)の大規模な展覧会は二十数年ぶり、広島出身の日本画家・丸木位里(1901〜95年)と妻で洋画家の俊(1912〜2000年)、写真家・川田喜久治(1933〜)はほぼ初めてという。

 シベリア抑留を経験した香月は、日本に帰れなかった戦友への思いからシベリアシリーズの連作を描いた。黒を基調に凍土を思わせる硬質な画面構成が特徴。

 丸木位里と俊が描いた原爆の図の連作は全15部中、広島を描いた8部のうち6部を展示した。夫妻は投下直後の広島に行き、惨状を目の当たりに。水を求めて川にたどり着いたところで子の死に気づいた被爆母子の姿などを、幅約7メートルのびょうぶに水墨で共作した。

 川田は原爆ドームの地下天井のしみや特攻隊員の遺影などを撮影した初期の代表作「地図」の作品群を中心に展示。会場には4作家の約200点が並び、戦争で亡くなった人々への思いを新たにする展覧会となっている。

 同館は「一流作家たちの美術作品を鑑賞していただくとともに、大規模な空襲があった平塚で戦争と平和について改めて何かを得る機会になれば」と話している。原則月曜休館。一般900円、高校、大学生500円。問い合わせは同館電話0463(35)2111。