「国際的拠点」に殿町 国の機関採択、財政支援で研究加速

 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は29日、「世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム」に川崎市川崎区殿町地区周辺を採択した。同地区を中心とする研究開発に対し国の財政支援が入り、生命科学やヘルスケアなどの先端的な研究や実用化プロジェクトが大きく加速することとなる。

 同プログラムは産・学・官の国際的な研究開発集積拠点となり得る地区を公募した中から選び、国が研究開発や人材育成を支援していく仕組み。昨年11月に神戸市、今回は殿町地区と京都府を採択した。同地区の提案主体は慶応大学を中核機関とするグループ。自治体は川崎市、県、横浜市、東京都大田区、大学は東大、東京工業大、横浜市立大、企業は富士フイルム、CYBERDYNE(サイバーダイン)で構成している。

 同地区はJSTの昨年11月の審査では「採択候補」にとどまっていた。慶応大が今年4月に推進拠点となるタウンキャンパスを殿町に設け、プロジェクトを9から22に増やして再提案し、採択に至った。文部科学省の予算で2020年3月末までに年間で最大7億円の支援が見込まれる。

 主なプロジェクトでは、高齢者約千人を対象にした要介護に至る追跡要因調査(慶応大・川崎市健康福祉・病院局など)▽脊髄損傷を修復する再生医療と最先端ロボット技術を組み合わせた機能再生治療研究(慶応大・サイバーダイン)▽感染症データを基に流行の前兆を早期確認する研究(東邦大・川崎市健康安全研究所)−などがある。

 市国際戦略推進部は「殿町地区の研究機関の集積はほぼ完了する段階。地区内と国内外の企業、機関による研究交流がさらに活発化するよう国の制度を有効に活用したい」としている。