熱意結実し頂踏破 藤沢翔陵高校山岳部が再びキリマンジャロに

熱意結実し頂踏破 藤沢翔陵高校山岳部が再びキリマンジャロに

キリマンジャロの山頂を踏んだ相沢さん(左から2人目)ら遠征隊メンバー。背後には氷河が広がる (藤沢翔陵高校山岳部提供)

 私立藤沢翔陵高校(藤沢市善行)山岳部の遠征隊が今夏、アフリカ最高峰キリマンジャロ(5895メートル)の登頂を果たした。今回が3度目の海外遠征で、キリマンジャロの登頂は13年ぶり2度目。積極的に海外の山へと出掛ける同部は県内でもまれな存在で、遠征隊に加わった3年で部長の相沢明徳さん(17)は「後輩たちも後に続いてほしい」と語る。 

 遠征隊は相沢さんのほか、顧問の谷口浩平教諭(53)、谷口天祥教諭(40)、知野広征教諭(32)、同部OBで東海大学3年の和田吉樹さん(20)の5人で構成。遠征に繰り出すきっかけは相沢さんの熱意だった。

 1年生のころ、キリマンジャロ山頂付近の氷河が温暖化の影響で消滅の危機にあることを知った相沢さん。2003年に同部が一度キリマンジャロに遠征している実績も知り、キリマンジャロ行きを顧問たちに懇願した。

 「顔を合わせるたびに言われるほどで、相当しつこかった」と谷口浩平教諭。「でも、先輩がやったことを僕たちもとなれば、応えないわけにはいかない」と振り返る。条件面から20人を超える部員からは相沢さんのみが参加。OB会にも協力を呼び掛けてパーティーを組んだ。

 一行は高所順応のため富士山に登った後、8月13日にタンザニアへ向けて出国。現地でも4500メートル超の山に一度登って体を慣らし、同19日から6泊7日の日程で、現地のガイドやポーターら22人とともにキリマンジャロへ入った。

 登山道が整備され、登頂自体はさほど難しくないキリマンジャロだが、最大の難敵は高山病だった。はやる気持ちをなだめるように、ガイドからは「ポレポレ」(スワヒリ語でゆっくりの意)と歩く速度を落とすよう注意された。

 山頂間近の5500メートル付近で相沢さんも高山病を発症。極度の眠気で意識がもうろうとし、ふらふらになりながら踏んだ頂で夜が明けると、お目当ての光景が目に飛び込んできた。

 「夜中は暗くて気付かなかったが、ふと見たら眼前に氷河が広がっていた。もう感動の一言」

 今回の経験で、相沢さんは山への気持ちがより強くなったという。進学先として志望するのは神奈川大学。同大の山岳部に入れば海外に行けるチャンスが広がるためだ。

 「山はずっと続けたい。登れる山はすべて登りたいが、まずは目の前の入試という大きな山が優先」と笑う。

 相沢さんはまた、今回の挑戦が部の活性化に結びつくことも願っている。「数年に一度でもいいから、海外遠征を恒例にしてほしい。せっかく行ける環境があるのだから」。谷口浩平教諭も「今回を機に、後に続く後輩たちが現れてくれれば」と期待を寄せていた。