「ヒト軟骨」に財政支援 19年度にも臨床研究へ再生医療技術活用 

「ヒト軟骨」に財政支援 19年度にも臨床研究へ再生医療技術活用 

ヒト軟骨デバイス

 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区に基づく研究開発として、横浜市が支援してきた「ヒト軟骨デバイスプロジェクト」に対し、日本医療研究開発機構(AMED、東京)から約1億5千万円の新たな財政支援が決定した。ヒト軟骨デバイスは、耳から採取した軟骨のもととなる細胞から作製した移植可能な軟骨組織。横浜で生まれた世界初のこの再生医療技術を活用し、最速で2019年度にも「鼻咽腔閉鎖機能不全症」の治療に向けた臨床研究開始を目指す。

 同プロジェクトは11年に横浜市大が世界で初めて確立した「ヒト軟骨前駆細胞の分離・培養技術」を基に、13年から同大先端医科学研究センターで、ジェイテックコーポレーション(大阪)と産学連携によって移植治療に応用可能なヒト軟骨デバイスの開発に取り組んできた。15年度までに10ミリ大のヒト軟骨デバイスの作製に成功している。

 今後は本年度から3年間かけて、主に子どもの口蓋裂の手術後に起き、発声や嚥下(えんげ)(のみ下し)に支障を来す鼻咽腔閉鎖機能不全症の治療にヒト軟骨組織を活用する臨床研究に向けて、安全性や有効性の検証を進める。また鼻などのより多様な疾患にも応用可能な20〜30ミリ大の軟骨組織の実現も目指す。

 同プロジェクトを担当する市大の谷口英樹教授(臓器再生医学)は「なるべく早く実用化のめどを付け、多くの患者に福音を届けたい」と話している。