自閉症の子を持つ親が体験語る 川崎、「いらない命などない」

自閉症の子を持つ親が体験語る 川崎、「いらない命などない」

息子が成長していく喜びを話す新保さん=川崎市高津区の高津市民館

 自閉症の子を持つ一般社団法人「そよ風の手紙」代表理事の新保浩さん(51)=川崎市幸区=が16日、「息子が教えてくれた大切なこと」と題し、同市高津区で講演した。自らの体験をもとに、どんな障害があっても一人一人の命を尊び、その可能性を理解することが大切と呼び掛けた。

 ボランティアグループ日(にち)ふれの会(谷内澄子代表)と同市教育委員会の主催。知的障害への理解を深める3回企画の初回で、45人が耳を傾けた。

 一人息子の綾麻(りょうま)さん(22)は3歳の時に知的障害を伴う自閉症と診断され、新保さんは6歳からシングルファーザーとして育ててきた。2013年に会社を辞め、綾麻さんを入所施設から自宅に引き取った。同時に同法人を立ち上げ、社会福祉士として児童発達支援にも携わっている。

 講演では、自閉症はコミュニケーションがうまく取れない発達障害だが、「(綾麻さんは)今も毎日成長している」と強調。かつて多動で車道に飛び出しそうになるなど振り回されたエピソードも披露し、親亡き後も地域で生きていけるよう息子と向き合っている思いを語った。

 最後には「何も自己表現ができないように思われる重い障害のある人でも、意思があることを息子は教えてくれた。いらない命などない」と訴え、「息子のおかげで人のために生きること、やさしくすることの大切さに気づくことができた」と話した。