最後の学園祭に卒園生ら集まる 横浜の「中里学園」

最後の学園祭に卒園生ら集まる 横浜の「中里学園」

卒園生ら(左側)による園歌の合唱=中里学園

 来春に閉園する県の児童養護施設「中里学園」(横浜市青葉区)で16日、学園祭が開かれた。卒園生や職員OBらが旧交を温める年1回の機会も今回で最後。生い立ちの地がなくなる悲しみを抱きつつ、感謝の気持ちを伝え合った。

 「卒園生であることを誇りに思う。ありがとうございました」−。体育館で卒園生有志約10人がスピーチし、来場者とともに園歌を歌った。感謝の思いを共有しようと20〜30代が中心となって考えた企画だ。

 その一人(30)=東京都足立区=は「学園はここにあって当たり前の実家だった。さみしい」と話す。家庭の事情で4歳から中学2年まで在園。「早く出たい、普通の生活が送りたいとばかり考えていた」が、卒園後は職員が自分を理解してくれていたこと、友達がたくさんいてさみしくなかったことに気付いたという。

 例年以上ににぎわった学園祭。卒園生(27)=横浜市港南区=は「楽しいのもつらいのも、両方あるからこそ大切な思い出」。今後、卒園生が集まる機会をつくりたいとの思いを語った。

 同園は戦争孤児の保護施設として1946年に開園し、これまで1461人が巣立った。近年は虐待など家庭で養育が難しい子どもたちが在園しており、来年3月の閉園後は、平塚市で情緒障害児短期治療施設として医療や心理系の専門スタッフを充実させた形で生まれ変わる。現在の建物は取り壊され、跡地は特別支援学校となる予定だ。