人権侵害は「不明確」 民団前ヘイトで法務局 都知事選候補

 人種差別団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)元会長の桜井誠氏による「日本から出て行け」などのヘイトスピーチ(差別扇動表現)で職員らの人権が侵害されたとして、在日本大韓民国民団(民団)中央本部が救済を申し立てていた問題で、東京法務局が「人権侵犯の事実があったとまでは判断できない」との決定を行っていたことが6日分かった。

 「侵犯事実不明確」の決定は12月27日付。東京法務局は神奈川新聞の取材に「個別の案件については答えられない」と理由を明らかにしていないが、「『不明確』の決定は人権侵犯がなかった『不存在』とは異なる」と説明した。

 民団中央本部の権(クォン)清志(チョンジ)企画調整室長は「『出て行け』は共に生きることを否定し、最も心をえぐるヘイトワード。なぜ人権侵害と判断されないのか理解できない」と話す。

 桜井氏は都知事選に立候補した昨年7月、東京都港区の民団中央本部前で選挙カーの上などから「この民団、ろくでなし集団」「日本から出て行け」などと発言。民団側は勧告などの救済措置を求めていた。代理人の張(チャン)界満(ゲマン)弁護士は「政治活動への遠慮が感じられる残念な決定だが、選挙だから何を言ってもよいとお墨付きが与えられたわけではない。公選法の改正など新たな対策が必要だ」と話している。