「イトーヨーカ堂の中のニトリ」と「ニトリの中のイトーヨーカ堂」それぞれの思惑

「イトーヨーカ堂の中のニトリ」と「ニトリの中のイトーヨーカ堂」それぞれの思惑

(C)shutterstock

イトーヨーカ堂の親会社であるセブン&アイホールディングスは、10月に2016年度上半期の決算発表を行うのに合わせて、今後のグループ戦略の方向性を発表する予定だ。


そのなかで、ニトリの店舗内にイトーヨーカ堂を出店する計画があるという。これまで、ニトリがイトーヨーカ堂の店舗内に出店したことはあったが、逆にヨーカ堂がニトリの店舗内へ出店するのは初めてのことだ。



「場所は、ニトリホールディングスが今年12月に東京都足立区梅島に出店予定の『環七梅島店(仮称)』です。1階部分にヨーカ堂の新コンセプト『食品館』が入り、2階と3階が家具売り場になる予定です。東武スカイツリー線の車窓から、ニトリと鳩のマークの合体看板を見ることができます」(流通ライター)


イトーヨーカ堂の今後のグループ戦略のうち、現時点で分かっていることは、2016年度内に出店が計画されている4店舗のうち東京・三ノ輪、神奈川・湘南平塚、そして件の梅島の3店は、『食品館』という名称で食品に特化したスーパーとして出店することである。


「不振のGMS(総合スーパー)事業については、衣料を中心にした規模縮小が想定されます。ニトリ内への出店を含め、今後は食品に特化した展開をより鮮明に打ち出していくでしょう。同グループの構造改革の方向性を見る上でも新店動向には要注目です」(同)


一方のニトリは、昨年4月のプランタン銀座への出店を機に進出を加速させる。10月7日には上野マルイ、12月には新宿タカシマヤタイムズスクエア南館の紀伊國屋書店跡地へ、そして2017年春には東武百貨店池袋店で出店を予定している。梅島とは違い、これらデパートへは店子として入る。



「イトーヨーカ堂とニトリには、それぞれ弱点があります。イトーヨーカ堂は住居関連部門が、それこそニトリや100円ショップなどのカテゴリーキラーに駆逐され、いまでは客もまばらです。それを逆手にとって、ニトリのブランド力で補うというのが狙いです。一方で、ニトリは客数が週末に比べて、平日が極端に少ない。そこで食品を中心としたデイリー商品を展開するイトーヨーカ堂の『食品館』を併設することで、平日にも自社商品の販売機会を増やそうという試みです。梅島は両社の思惑が一致した新店舗といえるわけです」(同)


イトーヨーカ堂は、2016年2月期決算で営業損益が上場来初の赤字となり、不採算店や老朽店舗を閉鎖することでスーパー部門の立て直しを図りたい考えがある。閉店が決まった足立区の千住店はイトーヨーカ堂発祥の地だ。


同じ足立区内で梅島から、反撃の狼煙を上げることはできるだろうか。

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