日本最大級の無人島を巡る「沖縄県」と「国」と「地主」それぞれの思惑

日本最大級の無人島を巡る「沖縄県」と「国」と「地主」それぞれの思惑

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戦国時代に鉄砲が伝来した種子島の西方12kmの東シナ海上に、馬毛島(まげしま=鹿児島県西之表市)という島がある。この島から人の姿が消えてほぼ50年が経つ。


馬毛島は、1995年に石油備蓄基地案が浮上したことでダーティーマネーが飛び交った。そして、この島を4億円で購入したのが、立石建設工業(東京)の創業者で元社長、現在は会長である立石勲氏だ。



「馬毛島は過去に、幾度となく米軍による軍用化が検討されてきました。2008年には米軍厚木基地の空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)の候補地として浮上しましたが、訓練空域の一部に屋久島が入ることから自然環境に配慮して断念に至っています。続いて、鳩山由紀夫内閣を瓦解させることになった米軍普天間基地の移転問題で、当時の鳩山首相が移転先として徳之島を挙げる前に、閣内で検討されていたのが馬毛島でした。ですが、これも沖縄本島から遠いことで立ち消えになっています」(軍事ジャーナリスト)


現在、島のほぼ全域を所有するのは、立石建設を経て、馬毛島開発から現社名に変更された『タストン・エアポート』だ。


「日本維新の会の下地幹郎衆院議員が、5月に普天間の訓練移転先としての活用を、沖縄県に提案しています。同県翁長雄志知事は、7月18日に島を視察し、タストン社から説明を受けています。ただし、菅義偉官房長官は7月20日の記者会見で、『現時点で有望な移転先になるとは考えていない』と却下する意向を示しました」(同)


無人島(タストン社社員15人が住民登録をしている)だから訓練場にすればいいと考えるのは早計で、この島には複雑な背景がある。



「立石会長は、2011年に脱税で有罪判決を受けており、加えて本人の主張では、滑走路建設などに私財を150億円も投じている。そのため、一部でも回収したい。2012年に入ってからは、一部週刊誌に中国に島を売るつもりだと報じられ、政府も慌て出した。離島とはいえ、尖閣諸島とは異なり“本土”に極めて近い場所ですから、防衛省内でも立石氏の意向を軽視する人間はいなくなりました。国に売却したいのですが、価格での折り合いがつかないことも話をややこしくしています」(同)


翁長知事としては、政府と衝突している辺野古以外に移転の選択肢を得たい。ところが、訓練地となることを地元の西之表市は反対している。沖縄の基地問題は“生き馬の目を抜く”とはいかないようだ。

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