「パンダが絶滅危惧種から外れた」というニュースは中国の陰謀!?

「パンダが絶滅危惧種から外れた」というニュースは中国の陰謀!?

(C)Shutterstock

国際自然保護連合(IUCN)が、半世紀にわたって野生生物保護のシンボルを務めてきたジャイアントパンダの絶滅危惧種指定を解除し、レッドリストで1ランク下の『危急種』に引き下げた。


「中国政府によると、2001年時点の野生パンダの生息数は1,100頭前後で、前回調査が行われた2003年には約1,600頭にまで回復し、2015年末時点では1,864頭まで増えたと報告されています。この他に422頭が人間の管理下で飼育されており、ざっと2,000頭が野生とそれに準ずる状態にあります」(自然保護に詳しいジャーナリスト)



ジャイアントパンダが絶滅危惧種に指定されたのは1990年のこと。それ以降、保護策が効果を上げてきた背景には二つの理由がある。1980年代に横行していた密猟が中国政府の強い統制下で減少したこと。そして、パンダの保護区域が大きく広がったことだ。


「ジャイアントパンダは政治的な意図のもとで、チベットから盗まれたものだといえます。中国政府に強い自然保護の意識があるかといえば、疑問符を付けざるを得ない。パンダに罪はありませんが、中国の微笑み外交の切り札として、とりわけ欧米へのイメージ戦略に大きく貢献してきました。中国の目的がほぼ達成されたいま、その使命の大半を終えたといえます」(政治アナリスト)


ところが、パンダの現状は一安心とは言えないようだ。今回のIUCNの決定には、中国内外から異論が噴出している。


「大型類人猿を見てください。同類で絶滅の危機に瀕していないのは人間だけです。類人猿の減少は、大規模な野生動物の生息地の破壊によるところが大きいのですが、四川省では観光開発が盛んに行われており、道路建設など人間の経済活動による、生息地域の分断や断片化が進んでいる。それゆえに、良好なパンダの居住区が減り続けているのです。生息数の増加は、単に野生のパンダを数える技術が発達しただけかもしれないのです」(前出・ジャーナリスト)


中国政府の取り組みは称賛されてしかるべきだが、今後観光資源としての活用を狙って生息数をかさ上げしているとしたら、パンダを再び不幸が襲うかもしれない。

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