百貨店の大量閉店で起きる高級ブランドと化粧品への大打撃

百貨店の大量閉店で起きる高級ブランドと化粧品への大打撃

hiroshi / PIXTA(ピクスタ)

三越伊勢丹は、三越千葉店(千葉県千葉市)と多摩センター三越(東京都多摩市)が来春に閉鎖すると発表した。そごう・西武もそごう柏店(千葉県柏市)を9月30日に閉鎖したのに続き、西武筑波店(茨城県つくば市)と西武八尾店(大阪府八尾市)を来春に閉鎖することを発表している。


関連業界は、これからも百貨店の閉鎖は続くと見ており、今後は東京近郊から都心部にある百貨店の閉鎖まで予測されている。



「東京の場合『西武池袋本店』と『伊勢丹新宿店』、あとは『日本橋三越』に『銀座三越』だけで十分といわれてきましたが、それが現実になりそうで困惑しています」(百貨店中心の販路で展開しているアパレル業者)


こうした百貨店の大量閉鎖時代に頭を痛めているのは、当の百貨店だけではない。百貨店に納入しているアパレルや服飾雑貨、化粧品ブランドも同様だ。


「われわれは、流通ヒエラルキーの頂点に君臨している百貨店でコーポレートブランドの価値を高め、ショッピングセンター(SC)や商業ビルなどのマス市場で“果実”を得るという戦略を展開してきました。しかし、郊外型百貨店の相次ぐ閉鎖や、都市型百貨店のブランド力の低下、そしてインターネット通販の台頭で、従来の販売戦略が機能しなくなっているのです」(高級ブランド幹部)


実際に、百貨店依存度の高いアパレル大手の業績は大不振になっている。オンワードホールディングスの営業利益は、2014年2月期の102億円から2016年2月期には37億円まで目減りした。ワールドは百貨店依存からの脱却を宣言し、SCへの出店を加速させたが、2016年3月期に約15%に当たる400〜500店の店舗閉鎖に追い込まれている。



資生堂やコーセー、カネボウ化粧品などの大手化粧品メーカーも厳しい状況に置かれている。百貨店には高級ブランドを、契約化粧品店やドラッグストアでは値ごろ感のある商品を販売し、本利益を確保してきた。だが、百貨店が消えつつあるいま、この構造も崩壊しつつある。


このまま百貨店の閉鎖が進むと、海外の高級ブランドも日本国内での戦略を見直さざるを得ない。これまでの対面販売という方法ではなく、プライドを捨てて『ドン・キホーテ』のような陳列山積み販売に頼ることになるかもしれない。

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