フジや産経の親会社フジHDの株主総会に対し株主2人が訴訟“ヤラセ総会”の実態を追及

記事まとめ

  • フジHD株主総会に対し株主2人が“ヤラセ総会”巡り訴訟も原告の訴えを棄却する判決に
  • 2014年総会では質問した16人中8人が、2015年は17人中5人がフジテレビの社員だった
  • 2014年総会では役員賞与を巡り虚偽回答も行われたが、総会決議取消は認められなかった

フジテレビ「ヤラセ株主総会」裁判に判決

株式会社において、会社の実質的な所有者は株主だ。その株主を対象とした株主総会は、会社の重要事項に対する最高の議決機関である。もしそこで経営者側が仕組んだ“やらせ”が行われていたとしたら…。


フジテレビ産経新聞の親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)が2014年6月と2015年6月に開催した株主総会に対し、株主2人が決議取り消しを求める訴訟を起こしていた。東京地裁(大竹昭彦裁判長)は2014年分については昨年12月に、2015年分については今年2月にそれぞれ、原告の訴えを棄却する判決を下した。


これらふたつの裁判で原告側が追及していたのは、フジHDの“ヤラセ総会”の実態だ。2014年総会の質疑応答では、質問した16人の株主のうち8人がフジテレビの社員株主だったことが、裁判を通じて明らかになっている。同様に、2015年の総会では、質問者17人のうち5人がフジテレビの幹部社員だった。


株主総会は一般の個人株主にとって、会社の経営状況を質すほとんど唯一の機会だ。会社側の息のかかった人物が多数質問することにより、“本物の”一般個人株主の質問機会は減ってしまう。


ヤラセ質問については、原告側に寄せられた内部告発によって明らかになったものだ。裁判では、原告が指摘した人物が、フジテレビの統括当局長や局次長、部長といった経営中枢幹部であったとフジHDも認めた。


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リハーサルや虚偽の回答も明らかに

この行為は大野貢フジHD兼フジテレビ総務部長の指示に沿って行われた。大野貢部長の証言によれば、2014年の総会ではリハーサルが2回行われ、日枝久会長もこれに参加していたという。


2015年の総会では“ウチダ”と名乗る株主が手を挙げ、質疑応答の打ち切り動議を提案した。日枝会長はこの動議を受け入れ、一方的に総会を終了させてしまった。なお、このウチダはフジテレビの元従業員(OB)であることも判明している。


また、2014年の総会では、役員賞与に関して虚偽の回答も行われていた。フジHDは「個々の支給額は昨年と比較しまして約15%減額」と説明していたが、実際は役員1人当たりの支給額は前年よりも1.1%の増額になっていた。民放キー局の視聴率競争で“ひとり負け”といわれるフジテレビだが、それにより親会社であるフジHDの経営状況は悪化しており、株主総会では毎回、高額な役員報酬が問題視されていた。総会で株主たちに平気でうそをつくフジHD経営陣に正当性はないと原告側は主張していたわけだが、総会決議取り消しまでは認められなかった。


東京地裁は2014年の総会について、「総会の決議方法に不公正な点があった」、「総会での会社側の説明は適切さを欠く」と認めた。しかし、2015年総会の判決にはこれらの文言がなく、原告側は「後退した印象」だと語る。さらに、「まったく不当な判決だ。直ちに、東京高裁に控訴する。フジHDの著しく不公正な“やらせ八百長株主総会”を許さず、徹底的に闘い抜く」と声明を出した。


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Job Design Photography / PIXTA(ピクスタ)


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