外来種が悪いという論説は全てが正しいわけではなく、自然にもたらす「良い影響」議論

記事まとめ

  • 琵琶湖の在来種を脅かすブルーギルやブラックバスなどの外来種生物
  • ワニガメに噛まれると指がちぎれるなど外来種を"悪者"にするニュースは目を引きやすい
  • 外来種に種子が持ち込まれ森が出現する可能性など、自然にもたらす「良い影響」も

外来種生物が自然にもたらす「良い影響」に関する議論

外来種と言えば、琵琶湖の在来種を脅かすブルーギルやブラックバスがまず頭に浮かぶ人も多いだろう。ほかでは、私立の動物園が破たんして逃げ出し野生化した小型のシカであるキョンや、ニホンザルとの交雑個体が発見された台湾ザルなども、人間の生活や生態系に多くの影響を与えている。最近では、台湾タケクマバチが、農耕地や庭にある水まきホースに直径約20ミリの穴を開けて営巣しているのが発見された。


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人間が持ち込んだ生物が在来種と交配することは、生態系を脅かし、ひいては人間の生活をも破たんさせる危険をはらんでいる。


アニメの『ラスカル』がかわいらしいといってペットにしたアライグマが、実は熊もたじろぐ凶暴な動物だったとか、「ワニガメに噛まれると指がちぎれます」という日本に居ついた外来種を“悪者”にするニュースは、何かと耳目を引きやすい。


「外来種は、駆除するか、心ない放流などを食い止めるかで議論が戦わされてきましたが、本来は地球上に『手つかずの自然』などどこにもないのです。南大西洋に浮かぶ英領アセンション島には、うっそうとした人の手の入っていない雲霧林(グリーン山)があり、観光の目玉になっていますが、ダーウィンが訪れたときは岩山だらけの島でした。それが人間の持ち込んだ外来種によって緑の島に変貌を遂げたのです」(環境アナリスト)


アマゾン川の両岸に広がる熱帯雨林は、何百万年前から変わっていないのではなく、北米大陸から持ち込まれた病原菌によって、南米大陸に居住していた人々が死滅したので森林が復活したのだ。


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日本で外来種によって新しい自然が生まれている地域も

「日本の領海と排他的経済水域を併せた面積は、世界で第6位です。これが2013年の噴火以降、1年以上にわたり非常に活発な噴火活動が見られた小笠原諸島・西之島(東京都)によって、経済的主権のおよぶ排他的経済水域をさらに大きくしているそうです。環境省が派遣した調査チームが確認した鳥類は、森林などに棲む渡り鳥のアトリや、海鳥のアオツラカツオドリ、市街地などでも1年中見られるハクセキレイが確認されました」(同・アナリスト)


アオツラカツオドリは、ヒナの姿もあって繁殖がうかがえた。植物は噴火前から生えていたオヒシバ、イヌビエ、スベリヒユの雑草類が存在し、ハサミムシやガの幼虫、トンボまでいた。これらはすべて外来種だ。


一概には言えないが、今後こうした外来種に種子が持ち込まれ、森が出現するかもしれない。外来種が悪いという論説は、すべてが正しいわけではない。


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