未成年への性犯罪歴がある教師が他県で再雇用された理由は、共有情報の穴が問題に

記事まとめ

  • 愛知県教育委員会は50代の男性主事を懲戒免職処分とした
  • 8年以上前に、埼玉県で教え子に対してのわいせつ行為で停職処分の過去が発覚したため
  • 停職以下の処分は共有しておらず、犯罪歴は都道府県をまたいで照会することができない

未成年への「性犯罪歴」がある教師が他県で再雇用されるカラクリ

教師による性犯罪は、相変わらず枚挙にいとまがない。



4月27日、愛知県教育委員会は50代の男性主事を懲戒免職処分とした。8年以上前に複数の教え子に対してわいせつ行為を行っていたことが、投書により発覚したためだ。5月20日には、大阪の市立小教諭の男が、女子中学生をホテルに連れ込んで暴行をして逮捕された。同27日には、奈良の県立養護学校教諭の男が、女性の下着を盗んで逮捕。大阪府堺市では、50代の男性の高校教諭が、部活動で指導していた女子生徒を呼び出し、校内で全裸にさせるなどの行為を行っていたことが明らかになり、同29日付で懲戒免職処分。同31日には、埼玉の市立中教諭の男が女子生徒の着替えを盗撮して逮捕されている。


2015年度にわいせつ行為で処分を受けた公立小中高校の教員数(文部科学省調べ)は224名に上る。このうち懲戒免職者数は118名。1990年代のある年(22名)と比べ、同行為で処分を受ける教員の数は目立って増えている。


なかでも未然に防げたのではないかと思われるのが、5月30日に強制わいせつで愛知県警に逮捕された、同県知立市立小臨時講師の大田智広容疑者だ。大田容疑者は、もともと埼玉県内の小学校教諭をしており、4年前にも児童ポルノ画像をメールで送って神奈川県警に逮捕され、停職6カ月の懲戒処分を受けていた。


どうして愛知県は採用してしまったのか、またなぜ教員免許がはく奪されなかったのかという疑問が残る。


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共有情報の穴を突いた大田容疑者

「一般的に教員を採用する際は、以前勤務していた学校に人物照会などをしますが、そもそも大田容疑者は埼玉県で教師をしていたという過去を隠して応募してきました。当然ながら懲戒処分を受けた事実も、履歴書に記していません。その上、依願退職後には名前を『知宏』から『智広』に改名していたのです」(同県教委)


教員免許から過去の処分歴をたどれないものなのか。


「懲戒免職になって教員免許が失効したという情報は、全国の教育委員会で共有していますが、大田容疑者のように停職以下(減給、戒告)の処分については共有していません。犯罪歴や処分歴は個人情報に当たるので、都道府県をまたいで照会することができないというのが現状です」(文科省教職員課担当者)


つまり“軽度”であっても解雇にして免許を取り上げない限り、こうした犯罪は今後も起こり得るのだ。


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Graphs / PIXTA(ピクスタ)

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