低迷フジテレビ株主総会で暴露された「特異な企業体質」

フジテレビの持ち株会社であるフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の株主総会が6月28日に行われた。今年はフジHDおよびフジテレビの会長と社長が交代するということで高い関心を集めた。


まず、29年にわたってグループをけん引してきた“フジの天皇”こと日枝久氏は、フジHDおよびフジテレビの両社で代表権のない取締役相談役に退いた。後任には嘉納修治氏が昇格し、フジテレビの会長も兼務する。


フジHD社長にはビーエス(BS)フジ社長だった宮内正喜氏が就き、フジテレビの社長を兼任する。フジテレビの社長だった亀山千広氏はBSフジ社長に転出した。亀山氏は視聴率低迷の責任を取る形となり、実質的な降格人事だ。


今回の人事は、フジテレビの視聴率低迷による業績悪化について、日枝氏が経営責任を取ったものとも見られているが、そう単純な話ではない。フジテレビ新社長の宮内氏は、フジテレビ絶頂期に編成局長だった日枝氏の下で、バラエティー部門をまとめていた直属の部下だ。腹心の部下を表に立てて“院政”を敷くというのが、社内外のもっぱらの見方である。


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批判が多く飛んだ質疑応答

株主との質疑応答では、会場の20人から質問があった。多かったのは「テレビが面白くない」という意見。例えば、ある男性株主は「低俗な番組が多い。『やすらぎの里』は最初にフジに持ち込まれた企画らしいが、目利きができるまともな社員がいないのではないか」と厳しく指摘した。またある女性株主は「産経の阿比留瑠比氏は2011年、民進党・辻元清美衆議院議員への名誉毀損裁判で敗訴した。そして、今年4月には民進党・小西洋之参議院議員への名誉毀損で敗訴が確定した。いずれも全く取材せずに噂話を記事にしたもので、どうしてこのような人物を論説委員にしておくのか」と、産経新聞の捏造体質を痛烈に批判した。


なかには日枝会長の公私混同とも取れる疑惑を暴露した男性株主もいた。早稲田大学の記念会堂を大幅にリニューアルして建築中の早稲田アリーナに関するものだ。


「早稲田アリーナの募金に、フジテレビから2〜3月に3000万円の寄付があった。早稲田大学演劇博物館にも200万円の寄付があった。早稲田大学は日枝会長の母校であり、特定の大学に多額の寄付を行うのはおかしい。日枝会長は会社のお金を公私混同している」


フジHDの総会を毎年取材している夕刊紙記者は、今年の総会の印象をこう語る。


「フジHDの2014年と2015年の株主総会に関して、株主ふたりが“ヤラセ総会”だとして訴えを起こしていました。質疑応答のときに質問した株主数名は、会社側の幹部社員やOBであり、質問自体も会社側の仕込みだったことが明らかになりました。裁判所は“総会決議取り消し”を求めた原告の訴えを棄却しましたが、今年の総会を見る限り、会社側の仕込み要員はいませんでした。さすがに、露骨なことはできないとフジHDも思ったのでしょう。ただ、質問者が20人になり、総会開始からちょうど3時間になろうとしたところで、議長の日枝氏は強引に質疑打ち切りを言い出しました。訴えられても、ほとんど反省していない様子です」


新体制になってフジテレビの視聴率は回復するのか。今のところ、女子アナウンサーの看板番組“○○パン”シリーズの復活くらいしか話題になっていないが…。


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