一流と下位層に大きな開きが…意外に少ない「プロ棋士の年収」

一流と下位層に大きな開きが…意外に少ない「プロ棋士の年収」

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将棋の人口は530万人ともいわれるが、そのなかからプロ棋士になれるのはわずか0.003%、160人余しかおらず、野球やサッカー、ゴルフに比べ、プロの人数は圧倒的に少ない。


一方で、収入面はというと、年間獲得賞金・対局料ランキングで3年連続トップの羽生善治三冠の昨年の年収が約9150万円で、プロ野球選手の年俸ランキングに照らすと100位前後になる。同ランキング10位の深浦康市九段は、約1800万円ほどで、下位層との開きは大きい。


「年収1000万円を超えるプロ棋士は一握りで、平均は500万円台ぐらいです。プロゴルファーと似ていて、勝てなくなったらアマチュアへのレッスンプロとして稼ぐようになります。レッスン料は月3万〜5万円といったところでしょうか」(囲碁将棋専門誌記者)


ちなみに囲碁は、賞金ランキング6年連続トップ井山裕太六冠の昨年の獲得賞金額は1億3494万円で、羽生三冠を超えている。しかし、平均年収では囲碁より将棋の方が上ではないかという意見がある。


「囲碁のプロは約460人と将棋より300人ほど多いので、全体の平均年収は将棋よりやや少ないぐらいじゃないでしょうか」(同・記者)


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優勝賞金の最高額は4320万円

プロ棋士の収入は、公式戦の“対局料”とタイトル戦の“優勝賞金”が大部分を占める。そのタイトル戦は、今年から昇格した『叡王戦』を加えて8種類がある。


「棋戦の対局料は一般に非公開ですが、藤井聡太四段が挑戦した竜王戦の賞金は公表されていて、優勝賞金は将棋界最高の4320万円です。歴史の重みは『名人戦』のブランド力が勝りますが、賞金に関して言えば竜王が一番です」(同・記者)


収入は安定していないため、稼ぎの多かった年の翌年は税金が大変で、収入が落ちた場合はなおさらだ。


「実力の世界なので、昨年の獲得賞金ランキング3位の佐藤天彦名人のように、2014年は966万円、2015年が2616万円、2016年に5722万円と急増していくプロもいれば、4位の糸谷哲郎八段のように、1563万円、5531万円、3543万円と乱高下するプロもいます。勝てないと年収は300〜400万円ほどになるでしょう。また、年金にも加入しており、以前は連盟が厚生年金に加入していましたが、6年前に公益社団法人に認可されたことで国民年金になっています」(同・記者)


公式戦デビュー29連勝の新記録を達成した藤井四段は、どれほどの収入を得たのだろうか。


「藤井四段は、6組に分かれて行う予選の最下位である6組のランキング戦を制して本戦へ進んだので、6組の優勝賞金93万円と、本戦1戦目の対局料46万円を獲得しています。30連勝を懸けて臨んだ竜王戦決勝トーナメント2回戦では、佐々木勇気五段に敗れましたが、対局料の52万円を得ているはずです。竜王戦関連だけでも、総額191万円の収入があります」(日本将棋連盟関係者)


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基本給代わりの「参稼報償金」

棋士は関東か関西のいずれかに所属している。藤井聡太四段は関西所属だ。


「関東から関西、関西から関東などへ遠征する場合は、将棋連盟から規定の交通費と宿泊費が支払われますが、対局が長引いて日付をまたいでも超過勤務手当はありません」(前出・記者)


そんな厳しいプロ棋士生活を下支えするのが『参稼報償金』だ。


「これは毎月の手当に相当する“基本給”のようなものです。ある引退したプロ棋士のブログによると、《順位戦のクラス・各棋戦の実績・棋士年数によって参稼報償金は査定され、下位のフリークラスの報償金は、B級1組の4分の1》と記されています。クラスは、上から順にA、B、Cに分かれ、BとCはそれぞれ1と2に分かれ、C2の下がフリーです。推測ですが、フリーは10万円以下ではないでしょうか」(同・記者)


プロになるための門戸も狭ければ、生活するためにも厳しい世界といえそうだ。


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