ハリウッド映画と「中国マネー」の切っても切れなくなった関係

いまや北米に次ぐ世界第2位の映画市場となった中国。しかし、ほんの数年前まではかなり閉鎖的だった。外国映画の上映枠が決まっている上に、いまよりもずっと厳しい検閲制度もあった。



それでも中国に進出したいハリウッドは、中国におけるアメリカ映画の枠を増やしたいと要望していた。そして2012年の『米中映画協議』で、ようやくそれが実現した。


「当時、すでに中国国家主席就任が確実だった習近平国家副主席と、アメリカのジョー・バイデン副大統領(民主党)が会談し、枠が広がったのです。以後、露骨な中国贔屓が行われました。プロットを中国に配慮して変更したり、中国製品が登場する場面を挿入したり、挙げ句の果てには中国人俳優の出演場面を中国向けだけに追加したりということなどです。これは、アメリカの映画館大手チェーンや映画製作会社を買収した、中国最大財閥の王健林率いる不動産コングロマリット『大連万達集団』の影響とみられています」(映画ライター)


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ハリウッド映画に好影響を与えた中国の会社も

だが、米中蜜月の期間は短かった。多くの不動産関連企業が、中国銀行監査委員会から財務内容の健全化を忠告されたためだ。万達集団も財政的に行き詰まった。


「今年3月、万達集団はハリウッドで買収契約が成立していたディック・クラーク・プロダクション(買収提示金額は10億ドル)の買収を断念しています。中国政府が外貨準備不足に陥り、ドル送金を厳重に取り締まり始めたため、海外への買収資金の送金さえもできなくなったからです。万達には契約に従って、5000万ドルの罰金が科せられています」(中国ウオッチャー)


一方、“中国のワーナー・ブラザーズ”と言われる華誼兄弟伝媒という中国の大手映画会社は、中国政府の影響が少ないため、作品に中国贔屓が働くことは少ない。南北戦争時代、エイブラハム・リンカーンの奴隷解放宣言よりも早く、ミシシッピ州ジョーンズ郡に白人と黒人が平等に生きる『ジョーンズ自由州』を設立した。その時代の実在の白人男性であるニュートン・ナイトの生涯と闘いを描いた『ニュートン・ナイト自由の旗をかかげた男』のアメリカでの配給は、STXエンターテイメントという新興のアメリカ映画会社が担ったが、同社には華誼兄弟が出資している。


こうした“大人の映画”を支えたのは中国資本だったのだ。まさに、中国マネーの“功”と言えるだろう。


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