品質向上の著しいコンビニ商品と勝負!サイゼリヤがあえてスパゲッティ専門店を展開

品質向上の著しいコンビニ商品と勝負!サイゼリヤがあえてスパゲッティ専門店を展開

(C)Shutterstock

ワンコインで利用できるメニューが多いため、学生らに人気のファミリーレストラン『サイゼリヤ』が、本格パスタ専門店『スパゲッティマリアーノ』を東京都心に続々と出店させる計画を打ち出している。


イタリアンとパスタ専門店という業態の重複が一部から懸念をされているが、このパスタ専門店はコンビニと外食の差を痛感したことから生まれたのだという。



「この新業態の特徴は、出来立てのスパゲッティを3分で提供するという、ファストフード店のような“早出し”ができることです。スパゲッティとサラダにドリンクバーがセットなったランチは税込500円で、サイゼリヤの500円のランチセットはドリンクバーを別売りしていますから、本家をもしのぐコストパフォーマンスを実現しています。テイクアウトも可能です」(フードライター)


今後は、30席数程度の小型店をオフィス街中心に出店していく予定で、いずれもテイクアウト専用レジを設置し、精算業務の効率化も図っているという。電子レンジで温めることが必要な、コンビニエンスストアのパスタを買うより早いかもしれない。


サイゼリヤがスパゲッティマリアーノを思いついたきっかけは、堀埜一成社長が2009年にセブンイレブンやローソンの発売したロールケーキに衝撃を受けたことからだった。


「外食チェーン店は、植物性由来のホイップクリームに頼るしかないのですが、最近のコンビニでスイーツの主流になっているロールケーキには、品質管理の難しい生クリームが使われています。また、店舗への配送は、サイゼリヤなどでは1日1回が原則ですが、コンビニは店舗数が桁数が一つ多いにもかかわらず1日3回で行っています。それが“足の速い”商品も店頭に置ける理由の一つです」(同)



堀埜社長はロールケーキから、コンビニと外食産業の差を痛感したのだという。


「加えてコンビニの場合、取引先のベンダー業者と連携して商品開発を進めていることから、コンビニ弁当の品質も急速に改善されています。こうしたノウハウから生まれたのが、外食産業では商品化できなかったロールケーキだったのです。この事実を垣間見た堀埜社長は、コンビニに物流体制と商品開発両面で圧倒的な差をつけられていると感じたのです」(同)


このままではコンビニにかなわない――。商品力の底上げを決意した同社が取り組んだのが、2013年1月14日に竣工した千葉工場だった。国内5カ所目、10年ぶりの新工場で、投下資金50億円は当時の同社の平均的な年間設備投資額に匹敵した。


「サイゼリヤは同工場で製造方法を改善し、いままでとは全く違うトマトソースを作り上げ、関東全店で新トマトソースに切り替えました。これによりレストランらしい味を実現し、コンビニや同業との差別化を図ったのです」(同)


高品質かつ低価格であるからこそ受け入れられるのが、現在の飲食業界。競争はますます厳しくなりそうだ。

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