「第3波」が新成人の晴れ舞台に影 中止か、延期か、分散対応か…自治体苦慮

「第3波」が新成人の晴れ舞台に影 中止か、延期か、分散対応か…自治体苦慮

愛知県豊田市は7日、緊急事態宣言発令地域から参加する新成人の参加自粛をホームページ上で呼びかけた

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で迎える今年の成人式。東海3県の一部自治体では「第3波」の感染急拡大を受け、延期や中止を決めた。緊急事態宣言対象地域からの参加自粛を要請する自治体もあり、コロナの猛威が新成人の晴れの舞台に暗い影を落としている。

 10日にほとんどの自治体で式典が開かれる愛知県。政府が東京など首都圏1都3県を対象に緊急事態宣言の再発令を決定した7日、同県豊田市は宣言対象地域から帰省する新成人に参加自粛を要請することを決め、市ホームページ(HP)上で呼びかけた。宣言発令を受け、首都圏の参加予定者から「参加できるのか」との問い合わせが数件あったため、市の見解を打ち出した。市担当者は「あくまでも『お願い』であって体調の問題がなければ参加は可能」としている。同県岡崎市も宣言が出た地域に、成人式(10日)前から2週間以内の滞在歴がある新成人の参加自粛を呼びかける。担当者は「参加者自身が判断してほしい」と話す。

 中止を決めたのは同県長久手市。愛知医大病院(同市)や公立陶生病院(同県瀬戸市)など近隣には感染者を受け入れる基幹病院があり、成人式がきっかけで感染拡大が起きた場合、治療が必要な患者の受け入れが困難になるケースが想定されるためだ。市の担当者は「命に関わることなので」と理解を求める。愛知県ではほかにも、春日井市が5月への、小牧市が9月への延期を決めた。

 岐阜市は5月への延期を決めた。市内46会場での分散開催を予定していたが、昨年12月から岐阜県内感染者が高止まり状態となり、県が12月25日に「医療危機事態宣言」を出したことが決め手となった。10日に実行委員会の新成人14人のみで「ウェブ式典」を開くのは同県瑞浪市。その様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。

 毎年1月2日に開催してきた三重県紀宝町では、希望する新成人にPCR検査費用の補助を出すなど準備を進めてきたが、全国的な感染急拡大を受けて延期を決定。参加を見込んでいた約110人のうち半分以上が町外から帰省する予定だった。延期時期は未定で、担当者は「新成人が帰省しやすい時期に開催できたら」と話す。

 多くの自治体は「密」を回避するため、分散・分割開催や広い会場に変更して対応する。愛知県一宮市は、これまで市民会館1カ所で開催してきたが、今年は同会館のほか、市内の中学校19カ所に分散。メイン会場の市民会館の様子をユーチューブを使って他会場にライブ配信する。同県知多市は式を2部制にし、恒例だった式典後の恩師との懇親会を中止する。

 「友人と集まってどんちゃん騒ぎをすると、感染リスクが高まります」。7日に過去最多の177人の感染者が確認された名古屋市。河村たかし市長は同日、市HP上に掲示した緊急メッセージで新成人にこう呼びかけ、行事終了後の同窓会など飲食を伴うイベントを開かないよう求めた。市は式典当日も同様の会食自粛を求めるチラシを各会場で配布する予定だ。呼びかけは若者に届くのか。市青少年家庭課の担当者は「お願いするしかない」と祈るような表情で語った。【黒尾透、細川貴代】

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