大船渡の海見ながら“月に1度のジャズ喫茶” 被災旅館「マスター」愛聴盤活用

大船渡の海見ながら“月に1度のジャズ喫茶” 被災旅館「マスター」愛聴盤活用

レコードを手にする熊谷立志代表=大船渡市三陸町綾里の廣洋館で2019年12月25日、藤井朋子撮影

 東日本大震災で被災した岩手県大船渡市三陸町綾里(りょうり)の旅館「廣洋館」が先月25日、「月に1度のジャズ喫茶」を始めた。旅館代表の熊谷立志さん(53)がマスターとして、ロビーで愛用のレコードをかけ、コーヒーをいれる。窓からは綾里湾が一望できる。熊谷さんは「海を見ながら心地よいジャズの音色を楽しんで」と呼び掛けている。

 熊谷さんは20年来のジャズ好きで、こつこつとレコードを収集してきた。「1日中かけていても聴いていられる。ボーカル系が好き」と笑顔を見せる。

 震災時、高台に建つ同館は津波の浸水を免れたが、のり面が崩れて建物が損壊。2013年に再建した。その後、沿岸の復興工事も落ち着き、昨年3月には三陸鉄道リアス線が全線開通した。この機会に「地元の人や三鉄に乗りに来た観光客に集まってほしい」という思いが膨らみ、レコードを活用しようと決めた。

 ロビーには約1500枚のレコードや真空管アンプ、イギリス製スピーカーが並ぶ。台風19号の影響で一部不通となった三陸鉄道も3月全線再開する予定だ。「レコードを持ち込んで、音の響きの違いを味わって」と来訪を期待している。ジャズ喫茶の営業は毎月第4水曜日の午後3〜9時。アルコールも提供する。【藤井朋子】

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