浸水被害の写真求む 東北大が「内水氾濫」把握のため呼び掛け

浸水被害の写真求む 東北大が「内水氾濫」把握のため呼び掛け

画像は宮城県石巻市周辺で、印は浸水被害があった場所=東北大災害科学国際研究所提供

 東北大災害科学国際研究所は、昨秋の台風19号の大雨で住民らが撮影した浸水被害の写真を提供するよう呼びかけている。排水能力を超えた水路や中小河川の水が市街地にあふれる「内水氾濫」を把握するのが狙い。写真を集めて発生当時の状況を把握し、今後の対策に生かす。

 台風19号では主要河川の堤防の決壊や氾濫だけでなく、内水氾濫とみられる水害で道路や建物が浸水するケースが相次いだ。福島県須賀川市では釈迦堂川に流れ込む水路があふれ、浸水したアパート1階で高齢者2人が亡くなった。

 国土交通省はこれまでに大きな浸水被害を経験した全国の484市区町村に、内水氾濫での浸水想定を示す「内水ハザードマップ」の作製を促し、75%の361市区町村(昨年3月末時点)がマップを公表していた。台風19号の襲来後、国交省は「広い範囲で内水氾濫の大きな被害があった」として、全ての都道府県と市区町村に作製するよう通知した。

 しかし、内水氾濫は主要河川の氾濫に比べて、大雨が降り始めてから発生までの時間が短く、河川から離れた場所で起こる可能性もある。このため、国交省下水道部の担当者は「各自治体からも被害の実態の把握は難しいと聞いている」と話す。

 東北大の研究所は、住民らが撮影した写真や、ツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿された写真の提供を呼びかけることを計画。位置情報や撮影日時とともに地図上にまとめ、内水氾濫が発生しやすい場所を分析し、避難計画に役立てる。

避難計画に活用

 研究所の佐藤翔輔准教授(災害情報学)は「今回の台風で内水氾濫が発生したとみられる市街地を移動中に亡くなった方もいる。発生場所を把握し被害を記録することは重要で、避難ルート策定のデータになる」と話す。

 写真は撮影日時や位置情報、撮影時の浸水の様子を記した上で、同研究所のメール(irides−e502@grp.tohoku.ac.jp)で受け付ける。寄せられた写真は、研究所の台風19号特集ページ(http://irides.tohoku.ac.jp/topics_disaster/typhoon19−2019.html)の写真共有サイトに、随時公開していく。【岩間理紀】

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