吉川元農相への500万円「贈賄否定できぬ」 鶏卵大手元代表認める

吉川元農相への500万円「贈賄否定できぬ」 鶏卵大手元代表認める

吉川貴盛氏

 衆院議員を辞職した吉川貴盛元農相(70)が大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」グループの元代表(87)から現金を受け取ったとされる事件で、元代表が東京地検特捜部に贈賄容疑を大筋で認めていることが関係者への取材で判明した。特捜部は近く、農相在任中に賄賂500万円の授受があったとして、吉川氏を収賄罪で、元代表を贈賄罪で、それぞれ在宅起訴する方針とみられる。

 関係者によると、吉川氏は2015年ごろに元代表と知り合い、農相だった18〜19年をまたいで20年まで継続して現金を受け取っていた。総額は1800万円に上るという。

 養鶏業界では18年ごろから、家畜をストレスのない状態で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」が議論され、国際獣疫事務局(OIE)が示した国際基準案に対して国内業者が「実情に合わない」と反発。元代表は基準案に反対するよう、農相だった吉川氏に働き掛けていた。

 元代表は特捜部の調べに「現金を渡した際に特定のお願いをしたことはない」としつつ、「養鶏業界の課題について陳情したのは事実で、賄賂だと言われれば否定できない」などと説明しているという。

 吉川氏は現金を受け取ったことは認める一方、「賄賂との認識はなかった」などと収賄容疑は否認しているとされる。だが、特捜部は、農相在任中の18年11月、19年3月、同年8月の計3回、現金計500万円の授受については立件可能と判断したとみられる。

 吉川氏は健康上の理由で20年12月22日に衆院議員を辞職。心臓の手術を受け、現在も入院している。特捜部は、証拠隠滅や逃走の恐れは低く、身柄を拘束する必要性は低いとみている模様だ。【志村一也、二村祐士朗、国本愛】

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