紫外線でミカンの腐敗抑制 装置が実用化、和歌山で生産者が導入

紫外線でミカンの腐敗抑制 装置が実用化、和歌山で生産者が導入

ミカンに紫外線を照射する装置=和歌山県湯浅町で2020年11月16日午前10時16分、最上聡撮影

 ミカンに紫外線を当てることで腐敗を抑制する装置が実用化され、和歌山県湯浅町の生産者が導入している。開発した一般財団法人「雑賀技術研究所」(和歌山市)によると、試作段階より機体を小型化し、既存の出荷設備に組み込めるようにした。

 ミカンをベルトコンベヤーに乗せ、紫外線が出る装置内を通す仕組み。紫外線がかんきつ類の果皮に当たると、ポリフェノールの一種で抗菌作用がある有機化合物「スコパロン」が作り出されることを応用した。2017年から開発し、19年に研究成果を公表していた。処理能力は1時間700キロ。

 同研究所によると、室温20度、湿度90%以上の環境でミカン40個を1週間保管する実験を実施。一つのミカンを半分にして、片方には紫外線を当て、もう半分はそのまま保管した。全てのミカンで紫外線を当てた方は腐敗が少なく、腐敗しても広がるスピードが緩やかなことが確認されたという。

 主に首都圏のスーパーにミカンを出荷しているという湯浅町の岡光農園の岡田光弘さん(57)は、作業場に装置を導入し、箱詰めの直前に紫外線を当てている。「少しでも品質が上がる可能性にチャレンジしたいと思った」と期待している。

 同研究所では、傷のあるミカンを選別する装置も開発中だという。【最上聡】

関連記事(外部サイト)