有楽名店街2店主に明け渡し命じる 神戸地裁 阪神元町駅隣接の地下飲食街

有楽名店街2店主に明け渡し命じる 神戸地裁 阪神元町駅隣接の地下飲食街

判決の夜、有楽名店街にあるスナックを開けた井上貞子さん。営業時間短縮のお知らせも張り出した。「残念だけど、諦めずに戦います」と話した=神戸市中央区で2021年1月13日午後5時12分、山本真也撮影

 神戸市中央区の阪神元町駅に隣接する地下飲食街「有楽名店街」で、すし店を経営する長野春男さん(67)ら2店主に、家主の阪神電鉄が立ち退きを求めた訴訟の判決が13日、神戸地裁であった。「定期借家契約」の事前説明が適切だったかが争点で、矢向孝子裁判官は「説明は不足していない」として阪神の主張を認め、店主らに明け渡しを命じた。

 長野さんは「納得がいかない」として控訴する意向を示した。

 1947年から飲食店が軒を連ね、昭和の雰囲気を残す名店街では、阪神が2014年に、避難階段がないなどの防火面から店側に閉鎖を通知し、立ち退きを求めた。現在も15店が営業を続けており阪神は、長野さんとかっぽうスナックを営む井上貞子さん(80)との定期借家契約を再契約せず、18年に提訴した。

 同契約は、更新がなく、借主の同意がなくても賃借関係を終了できるため、借地借家法で、締結前の説明が義務づけられている。阪神は「担当者が面談して説明した」と主張。店主らは「毎年、書面が郵送されてくるだけで、契約は無効だ」と反論していた。

 矢向裁判官は、阪神の担当者が「日常業務として最初の契約締結時に面談して(内容を)説明していたことが推認できる」として店主らの主張を退けた。郵送による説明書面の交付についても、「常に口頭説明を求められるものではない」として、不備はないとの考えを示した。

 店でつくる自治会「有楽名店会」の田辺登志子会長は「人情も何もない判決で残念。コロナも重なり、大変だが、力を合わせて頑張ります」と話した。【山本真也】

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