ネズミと思ったら「冬眠中のヤマネ」 長崎・金泉寺山小屋、毛布の中に

ネズミと思ったら「冬眠中のヤマネ」 長崎・金泉寺山小屋、毛布の中に

金泉寺山小屋にいた冬眠中のヤマネ=山本秀範さん提供

 長崎県諫早市高来町の多良岳山頂近くにある金泉寺山小屋(標高約870メートル)で2019年末、冬眠中のニホンヤマネが見つかった。国の天然記念物で、「森の妖精」と呼ばれるヤマネは、夜行性で主に木の上で暮らすため、野生の姿が見られるのは珍しい。地元住民は「ヤマネのいる美しい森を守りたい」と話す。

 ヤマネは本州と四国、九州に生息する日本固有のネズミの仲間。体長7センチほどで背に黒い筋があり、ふさふさとした尾を持つ。県内では多良山系のみで生息が確認されている。

 金泉寺や周辺の環境を守る活動をしている山本秀範さん(70)によると、19年12月31日、山小屋の宿泊者が毛布の中で丸くなっているヤマネを見つけ「ネズミが死んでいる」と管理人に知らせた。管理人が部屋の隅に数枚重ねてあった毛布を見てみると、毛布の間で冬眠していたヤマネがいたため、山本さんに連絡。そのままにしておいたところ、翌朝には姿を消していたという。

 ヤマネの生態に詳しい長崎女子短大の松尾公則教授は「冬眠する場所を探していてたまたま山小屋に入ったが、驚いて目覚め、別の場所に移動したのだろう」と推測する。

 山本さんらは松尾教授の協力を得て、19年8月に寺周辺に巣箱を設け、ヤマネの生息調査を始めていた。山本さんはヤマネの姿を見て、生息する森の維持に向け気持ちを新たにした。「ヤマネがいるとは聞いていたが、実際に見たのは初めて。いることがはっきりしたので、保護活動を進めたい」【足立旬子】

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