宮崎・高千穂峡 遊覧ボート3月値上げ オーバーツーリズム解消へ完全予約制目指す

宮崎・高千穂峡 遊覧ボート3月値上げ オーバーツーリズム解消へ完全予約制目指す

人気の高い高千穂峡の遊覧貸しボート=高千穂町観光協会提供

 高千穂町観光協会(宮崎県高千穂町)は高千穂峡を楽しめ年間約14万〜16万人の観光客が利用する遊覧貸しボートの利用料金と、高千穂神社で毎夜奉納される神楽の拝観料を3月1日から値上げする。財源を確保し落石事故防止などの安全対策強化や人材育成、観光振興を図る。貸しボートはオーバーツーリズム解消のため今年中の完全予約制実施を目指す。【重春次男】

 町観光協会によると、貸しボートは現在、乗船人数にかかわらず30分で1艇2000円(定員3人)。改定後は1人乗船を含め1艇4000円を基本料金とし、1人増えるごとに1000円追加され、最大(3人乗船)で6000円となる。神楽の拝観料は1人700円を1人1000円に改定する。

 貸しボートと神楽拝観は同協会の自主事業で高千穂観光の目玉。2018年度の協会総事業収益約3億4570万円のうち、貸しボートが約1億3720万円、神楽拝観が約3348万円を占め、合計で収益全体の約50%を占める。

 しかし、2010年に発生したボートへの落石事故での一時事業休止や、16年に起きた熊本地震の影響による利用者激減で債務超過に陥った時期もあった。今回の利用料金値上げで経営の安定強化も図る。

 安全対策は、高千穂峡の崖面や樹木の保守・点検▽貸しボートや救命胴衣の計画的な設備更新▽豪雨時・緊急事態での観光客の避難誘導体制――などを強化する。

ボート最長9時間待ち

 貸しボートは当日予約で最長約9時間待ちになる場合もあり、前夜から路上で車中泊して待つケースも見られるなどオーバーツーリズム状態。これらを解消するのに完全予約制への移行やシステム構築も今年中に実施したい考えだ。

 14日に記者会見した協会の飯干淳志(あつし)会長(65)は「高千穂観光の未来に責任を持ち、持続可能な観光地域づくりを実現するための一環として料金を改定する」と説明した。

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