玉串料「違憲」訴訟記録を発見 管理不備の松山地裁、永久保存へ

玉串料「違憲」訴訟記録を発見 管理不備の松山地裁、永久保存へ

松山地裁、松山簡裁が入る庁舎=遠藤龍撮影

 1997年の最高裁判決で愛媛県による靖国神社への公金支出が違憲とされた「愛媛玉串料訴訟」の一連の記録について、松山地裁が2日、事件資料を管理する帳簿上では2008年に「廃棄済み」としていたのに、21年3月になって記録庫から見つかったと発表した。政教分離を巡り最高裁が初めて違憲と判断した重要な訴訟であり、同地裁は管理に不備があったと認め、永久保存することにした。

 地裁によると、帳簿上では08年11月7日に記録を廃棄したことになっており、その後に報道機関から照会を受けた時も廃棄済みと回答していた。ところが、21年3月19日に地裁職員が記録庫を整理した際、段ボール2箱分、21冊の訴訟記録を見つけた。最高裁、高松高裁の記録も含まれていたが、全てがそろっているかについては調査中としている。

 訴訟記録は各地裁が重要性を基に個別に保管期間を定めており、期間内に廃棄はできない。松山地裁は保存期間をどう設定していたかは「調査中」としている。今後は定めていた期間を超えて保管する「特別保存」とする手続きを進める。千葉和則所長は「保存・廃棄の事務処理状況を点検し、記録の適正な保存・廃棄に努めたい」とコメントした。

 民事裁判の記録を巡っては、東京地裁が20年2月、最高裁判例集に掲載されるなどした裁判の記録を永久保存するとの要領を定め、最高裁も全国の裁判所に参考例として周知している。【山中宏之】

関連記事(外部サイト)