能登半島地震から完全復興宣言 総持寺祖院、13年かけ修復完了

能登半島地震から完全復興宣言 総持寺祖院、13年かけ修復完了

復興を祝う落慶法要でお経を転読する僧侶ら=石川県輪島市門前町の総持寺祖院で2021年4月6日午前10時15分、阿部弘賢撮影

 2007年の能登半島地震で大きな被害を受けた、石川県輪島市門前町の曹洞宗大本山総持寺祖院の修復工事が約13年の歳月をかけて完了し6日、落慶法要が営まれた。輪島市も同日午後、祖院近くで式典を開き、震災からの「完全復興」を宣言。能登屈指の名刹(めいさつ)が開創700年を迎える節目の年に元の姿を取り戻し、地元は地域活性化に期待を寄せている。【阿部弘賢】

 最大震度6強を記録した能登半島地震では1人が死亡、約330人が重軽傷を負い、建物3万棟以上が損壊した。祖院も僧侶が寝起きする座禅堂が全壊し、国登録有形文化財の仏殿や山門など境内にあるほぼ全ての建物が被害を受けた。

 修復工事は建物を解体して再度組み上げたり、推定200トンある山門はジャッキで浮かせて沈下した地盤を直したりするなど、大がかりなものとなった。約40億円の費用は全国の同宗寺院からの寄付などでまかなった。

 落慶法要には全国から関係者約100人が参加。大本山総持寺(横浜市)の江川辰三(しんざん)貫首の下、僧侶らが経を転読して復興を祝った。法要前には山門前で、金沢市の書家、阿部豊寿さん(42)が巨大な和紙に力強い筆さばきで「完全復興」の文字を揮毫(きごう)。祖院震災復興委員長の鈴木永一監院は「支援には感謝しかない。地元と力を合わせながら、心の安らぎや祈りの場、世界平和に目を向ける場となるよう願っている」と話した。

 輪島市主催の式典で梶文秋市長は「完全復興をここに宣言する。災害を教訓にし、災害に強いまちづくりに生かす決意だ」と述べた。震災で唯一の犠牲者となった同市の宮腰喜代美さん(当時52歳)の夫、昇一さん(72)は式典後、報道陣に「供養は一生続くが、完全復興は市民としてうれしい」と語った。

 一方、寺から延びる商店街では通りに露店が出てお祝いムードを盛り上げた。震災で39店舗の大半が全半壊したが、再建の中で店の外観を統一するなどして魅力向上に努めてきた。総持寺通り協同組合の五十嵐義憲代表理事(73)は「祖院は以前のような落ち着いた雰囲気に戻ってよかった。相乗効果が出るよう、我々も頑張りたい」と語った。

関連記事(外部サイト)