島根県知事、聖火リレー容認 「中止はプラスにならない」

島根県知事、聖火リレー容認 「中止はプラスにならない」

記者会見で聖火リレーの県内実施を容認する考えを表明した丸山達也・島根県知事=東京都千代田区で2021年4月6日午後6時32分、大島祥平撮影

 東京オリンピック聖火リレーの中止を検討していた島根県の丸山達也知事は6日、東京都内で記者会見を開き、実施を容認する考えを表明した。与党内に新型コロナウイルスに関連した補正予算を検討する動きが出たためで、丸山知事は「飲食店事業者支援の施策実現にマイナスの影響を及ぼしかねない中止判断は見送る」と述べた。

 知事はこれまで、政府や東京都の新型コロナウイルス対策が不十分だとして「五輪を開く資格がない」と批判。新型コロナの感染拡大地域以外の飲食店への支援などを求めて、5月15、16日に県内で行われる聖火リレーの中止検討を2月に表明していた。

 6日の会見では、自民党の二階俊博幹事長が2021年度補正予算案編成の可能性に言及したことなどを挙げて「今回の動きの中で支援策を盛り込んでもらうことが何より大事だ。そのために中止の選択をするのは島根県民にプラスにならない」と理由を語った。

 この日は大会組織委員会とも協議し、リレーを先導するスポンサー車列やスタッフの削減なども要望したが「スポンサー契約の根幹に関わるとの理由で対応が難しいという回答だった。それならば致し方ない」と説明。スポンサー車両の音量制限も求めた上で、「回答は不十分でもリレーは実施する。ベストの内容ではないがこちらの事情だけでものごとを決めるわけにはいかない」と述べた。

 協議後に対応した組織委の布村幸彦副事務総長は「安全な聖火リレーの実施について話すことができた。もう中止という選択肢はとられないと受け止めている」と説明した。要望を受けたスポンサー車両の音量については、組織委が最上位スポンサー4社と調整するという。

 丸山知事が県内の聖火リレー容認の意向を示したことについて、日本がボイコットした1980年のモスクワ五輪で競泳男子代表に内定していた松江市の高校教員で聖火ランナー予定者の香山進介さん(61)は「良い方向に決断してもらい、気持ちが晴れた」と歓迎した。リレーの様子を伝える映像を見ながら、トーチキスを「自分はこんなふうにやってみようか」などと想像を膨らませているという。【大島祥平、小坂春乃、円谷美晶】

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