市街地の公衆トイレ洋式へ 観光利用多く快適化 長野・松本

市街地の公衆トイレ洋式へ 観光利用多く快適化 長野・松本

温水洗浄便座の洋式に改修する予定の公衆トイレ=長野県松本市丸の内の松本城本丸庭園で2021年3月11日午後3時47分、武田博仁撮影

 長野県松本市は2021年度、国宝・松本城や中心市街地にある公衆トイレを温水洗浄便座の洋式にする整備に乗り出す。市民や観光客のため、和式や形だけ洋式のトイレを改修し、快適化を図る。保護者などの要望が多い小中学校のトイレも同様に洋式化を進める。【武田博仁】

 松本城周辺のトイレは本丸庭園や松本城公園など7カ所に計44の個室がある。そのうち和式10室と洋式33室を温水洗浄便座にする。和服の人が使いやすいよう1室だけ和式を残す。松本城管理事務所によると一帯は国史跡のため建て替えが難しく、洋式化すると狭くなる問題があったが、工夫して実施する。

 中心街では観光客の利用も多い女鳥羽川沿いの縄手通り、西堀公園など4カ所の和式6室を洋式の温水洗浄便座にする。市環境保全課には「洋式の方が使いやすい」との要望があったという。郊外では、上高地へ通じる国道158号沿いの観光交流施設「アルプスの郷」の公衆トイレも洋式に改修する。

 市教育委員会によると、同市の小中学校トイレの洋式化率は約40%だが、家庭のトイレが洋式化した現在では「和式が使えない子もいる」。21年度は開智小と田川小を洋式化する。近年中に校舎改修の予定がない小中24校を21年度から3年計画で順次洋式にする。「湿式」と呼ばれるタイル貼りの床もビニールシートの「乾式」にする。

 市は一連のトイレ改修で、21年度一般会計当初予算と20年度2月補正予算(前倒し分)に計1億7827万円を計上した。臥雲義尚市長は記者会見で「保健衛生や感染症対策の観点からも洋式化が必要。観光客のためにも進める」と述べた。

北ア・燕岳のテント場でも 安曇野市

 安曇野市も21年度、北アルプス・燕(つばくろ)岳(2763メートル)のテント場にある市営公衆トイレの洋式化改築工事を実施し、登山者の満足度向上を図る。燕岳は北ア入門の山として人気が高いが、テント場のトイレは臭いが強く、利用者に不評だった。し尿を谷筋に直接放流する方式を改め、環境への配慮を強化する。

 21年度一般会計当初予算に7045万円を計上。現地には水道も電気もなく温水洗浄便座は無理だが、し尿は環境負荷を低減する方式を採用する。運営費を国の補助金とネット上のクラウドファンディングで募る予定。早ければ22年度の使用開始を目指す。

 また、22年の穂高神社式年遷宮に合わせて来訪客のため、JR穂高駅前など2カ所の公衆トイレを洋式の温水洗浄便座に換える。

関連記事(外部サイト)