阿波踊り、新しい運営スタイルは? 「間に合うのか」不安の声も

阿波踊り、新しい運営スタイルは? 「間に合うのか」不安の声も

実行委解散や共同事業体との契約解除で今夏の阿波踊り開催に不安を感じる関係者も。写真は安全な開催を目指し、昨年11月にあった実証イベント=徳島市で2020年11月21日、山崎一輝撮影

 徳島市の阿波踊りを主催する実行委員会(委員長=内藤佐和子市長)が3月末で解散、共同事業体とも契約を解除し、現行の民間委託方式は頓挫した。今夏予定の開催までわずか4カ月余り。内藤市長は「縮小してでもやる」との意向だが、「間に合うのか」と不安の声も聞こえる。共同事業体は「一方的に契約を切られた」と、実行委のトップでもあった内藤市長の対応に不信感を募らせており、2年ぶりの夏開催実現に向けて前途は多難だ。【三野雅弘、岩本桜】

 「現行の運営スキーム及び運営体制のもとでは阿波おどりの実施は困難」。実行委の解散を知らせる市の資料提供が報道陣に出されたのは3月31日午後4時前。市役所に駆けつけた報道陣に対し、担当課長が対応に追われた。

 内藤市長は同日夕、「今年は縮小するかもしれないが、市としては何としてでも開催して次世代に受け継いでいきたい」と紙1枚のコメントを出した。

 伏線はあった。同月23日の定例記者会見で、内藤市長は「今の運営体制が形骸化している」として見直しに言及。非常時には資金のない実行委が責任を持って事業体に指示を出すことは難しいことを理由に「このスキームをどうして考えたのか分からない」と前市長を批判した。そして運営の検証を行うとともに「今後の運営について早急に方向性を示したい」と話した。新型コロナウイルスの影響で夏開催を見送った2020年は、秋に感染対策を検証するイベントとして阿波踊りを開いており、そのノウハウを生かす方針だが、実行委が解散した後も方向性はなお見えない。

 共同事業体のキョードー東京(東京都)やネオビエント(北島町)も市に対し不信感を募らせている。市は、コロナ禍で中止した20年度分の固定納付金500万円を支払っていない業務不履行などを解除の理由に挙げるが、ネオビエントの藍原理津子社長は「基本契約では『不可抗力があった時には協議する』となっているのに、全く話し合いがなかった」とあきれる。キョードー東京などの共同事業体は12日に記者会見してこれまでの経緯を説明する予定だ。

 こんな中、市にぎわい交流課は2日、214の踊り連に今夏の阿波踊りについて、参加希望の有無や人数を問うアンケートを始めた。2月に実行委が示した今夏の事業計画案に沿って、開催日を8月12〜15日(11日は前夜祭)と示したうえで「正式な参加申し込みではなく、計画策定の参考とするために実施するもの」と説明し、4月7日までの回答を求めた。

 連長の一人は「本当に間に合うのかという思いだ。一応、『参加』の返事をしたが、そもそもコロナ禍で例年より参加希望人数は4分の1程度。どんな形でやるのか早く決めてほしい」と訴える。内藤市長には、阿波踊りの新しいスタイルを速やかに踊り手や観客に示すことが求められる。

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