札幌「GWが肝」 人出減らず 自粛要請後の11日間をデータ分析

 新型コロナウイルス対策として札幌市を対象に不要不急の外出・往来の自粛要請が出された3月27日以降、同市の人出が減っていない。ソフトバンクの子会社「アグープ」(東京都渋谷区)が集約するデータを基に毎日新聞が要請後11日間を独自に分析し、判明した。1、2週間後に新規感染者の増加という形で悪影響が現れることも懸念され、専門家は「ゴールデンウイーク(GW)を前に警戒が必要」と警鐘を鳴らす。【土谷純一】

 アグープは、JR札幌駅の半径500メートルにおける1時間平均の滞在人口をスマートフォン・アプリ利用者の位置情報から推計している。全体の傾向を調べるため、曜日などで偏りが出ないよう、この推計を基に日別の直近1週間の平均値を算出した。

 道が昨年10月に出した「集中対策期間」最終日の今年3月7日は6万9400人で、要請が出された同27日まで7万人前後で推移。27日〜4月6日の11日間も同様に減少傾向は見られなかった。むしろ、4月2日には今年最も多い人出となる約7万2700人を記録し、年度替わりで人の行き来が活発になったことがうかがえた。

 一方、道内の感染者数は高止まりし、3月30日以降、日別の新規感染者数は50人を超える。それぞれの日における感染中の人の数(患者数)は、3月27日時点で751人だったが、4月6日は854人で、わずかながら増加傾向にある。

 札幌医科大の當瀬規嗣教授(細胞生理学)は「年度末の異動、引っ越し時期の影響が現れるとしたら1〜2週間後」と指摘する。ただ、感染者1人が平均何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が道内は感染の拡大・収束の基準となる「1」前後であることから、現状は「何とか持ちこたえている状態」と分析する。

 しかし、札幌市では地域の集会など「個人活動」を通じ、変異株の感染が広がっているとして「人出がそこまで増えていなくても、どこかの人の集まりで感染力の強い変異株に感染すれば一気に拡大する恐れがある」と警鐘を鳴らす。今後について「GW前が警戒すべきタイミングで、肝になる」と話す。

 こうした中、例年GWに1日最大約1万6000人が訪れる円山動物園(同市)は、19日以降の入園を完全予約制とし、入園者を8000人に制限する。人出の増加が予想されるGWを前に、実効性のある感染対策が求められている。

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