#教師のバトン炎上 文科省局長「厳しい声を勤務環境改善に」

#教師のバトン炎上 文科省局長「厳しい声を勤務環境改善に」

「炎上」した「『#教師のバトン』プロジェクト」の今後についてオンラインで説明する文部科学省の義本博司局長=2021年4月8日

 現職教員の声をSNS(ネット交流サービス)で広げることで、教員の仕事の魅力を伝える文部科学省の「『#教師のバトン』プロジェクト」に批判的な投稿が相次いだことを受け、プロジェクトを担当する同省総合教育政策局の義本博司局長が8日、オンラインメディア向けの説明会を開いた。義本氏はプロジェクトを続ける考えを示し、「いただいた厳しい声を勤務環境の改善につなげていく」と釈明した。

 プロジェクトは、学校の「働き方改革」の好事例などを「#(ハッシュタグ)教師のバトン」と付けてツイッターなどに投稿してもらい、教員を目指す人たちに仕事の魅力を知ってもらおうというもの。省内の若手職員たちの発案で先月26日にスタートした。ところが、当初の思惑とは異なり、仕事の過酷さを訴えたり、文科省を批判したりする投稿であふれかえり、企画は一時「炎上」した。

 義本氏によると、プロジェクト立案のきっかけは、学生たちに教員を目指す上での不安などを聞いたところ、文科省が進める「働き方改革」の内容が伝わっていないと感じたことだったという。義本氏は「SNS上でオープンに共有し、伝え合うことができればという狙いだった」と説明した。

 今後のプロジェクトのあり方については、「現場の声を集め、改革の推進力とする『働き方改革のプラットフォーム』としての機能をフルに生かせる場にしたい」と述べた。小学校での教科担任制の導入や中学校・高校の部活動の見直しなどを進める考えを示し、「お隣の役所(である財務省)や国会と調整し、実現していくには非常にエネルギーが要るが、エビデンス(客観的根拠)によって政策を説得力のあるものに磨いていきたい」と語った。

 中央教育審議会で教員の「働き方改革」の議論に関わった経験があり、今回のプロジェクトに賛同している教育研究家の妹尾昌俊さんは「これまで『声なき声』だった現場の教員や保護者の投稿に対し、1日置くか置かないかの間に文科省から返事が来るなど、今までにない政策立案過程、コミュニケーションになりつつある」と指摘。「うまくいかないこともあるかもしれないが、他省庁もできていないチャレンジだというふうに見ていただければ」と語った。【大久保昂】

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