「噴出口近くで作業したら作動」 東京・地下駐車場4人死亡事故

「噴出口近くで作業したら作動」 東京・地下駐車場4人死亡事故

現場検証をする警視庁の捜査員=東京都新宿区下落合で2021年4月16日午前10時55分、木原真希撮影

 東京都新宿区下落合4のマンション地下駐車場内で天井の張り替え工事の作業中、消火設備が突然作動して二酸化炭素が充満し、男性作業員4人が死亡した15日の事故で、自力で脱出した30代の作業員の男性が「天井にある二酸化炭素の噴出口近くで作業をしていたら設備が作動した」と話していることが警視庁捜査1課への取材で判明した。同課は16日朝から、業務上過失致死容疑で現場検証を始め、設備が作動した経緯を詳しく調べている。

 捜査1課は同日、亡くなった4人の身元について、東村山市廻田町1、職業不詳、相沢学さん(44)▽足立区古千谷本町1、会社役員、上邨(うえむら)昌弘さん(58)▽同区江北3、会社員、上邨昇巨(のりきよ)さん(59)▽住所不詳、会社員、大川拓馬さん(27)――と発表した。二酸化炭素中毒とみられる。他に男性(28)が意識不明の重体となっている。

 マンション地下1階にある立体駐車場の天井が腐食したため、石こうボード約200枚の張り替え工事が15日朝から行われていた。駐車場は地上1階で乗降し、車は機械で地下1階に運ばれる仕組み。作業員ははしごで地下に下りて作業をしていた。2日間の予定だった工事の1日目の作業を終え、二酸化炭素の噴出口が複数ある天井付近で片付けをしていた午後5時ごろ、設備が作動したという。

 作動した設備は、二酸化炭素を放出して空間内の酸素濃度を下げ、火が燃え広がるのを防ぐものだった。作動ボタンは地上にあり、付近に設置された防犯カメラにはボタンを押す様子は映っていなかった。

 総務省消防庁のガイドラインでは、二酸化炭素消火設備が設けられている付近で工事を行う場合、専門知識のある消防設備士らが監督することになっているが、今回の事故現場では立ち会わせていなかった。同庁は15日夜、改めて立ち会いを徹底するよう全国の消防機関に通知した。

 東京消防庁が事故発生から約1時間後に測定した地下駐車場の二酸化炭素濃度は21%で、通常の数百倍の値だった。総務省消防庁によると、濃度3〜6%では数分から数十分で過呼吸、頭痛、めまいなどの症状が表れ、10%以上では数分以内に意識を喪失し、放置すれば呼吸停止を経て死に至るという。【最上和喜、鈴木拓也、木原真希】

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