忘れること、ありませんか? 京都府が若年性認知症の冊子

忘れること、ありませんか? 京都府が若年性認知症の冊子

京都府が企業向けに初めて作成した若年性認知症の啓発冊子=篠田直哉撮影

 若年性認知症の人や家族、職場ができるだけ早く気づいて受診と支援を始められるようにと、府高齢者支援課と京都地域包括ケア推進機構が企業向けの啓発冊子「こんなことありませんか? それは、若年性認知症かもしれません」(A5判8ページ)を初めて作った=写真。2万4000部を作製し、企業に3月下旬から1部ずつ無料配布を始めたところ、問い合わせが相次ぎ、増刷する方針を決めた。【篠田直哉】

 65歳未満で発症する若年性認知症は、早ければ30代で発症することもある。発症年齢の平均は51・3歳。厚生労働省の統計によると10万人当たり46・7人、全国で4万人近くいるとされ、女性よりも男性に多いのが特徴だ。症状の進行が速い半面、疲れや更年期障害と思い込んで受診が遅れる傾向がある。

 府は若年性認知症の人が適切な支援を受けられるよう、医療・介護・福祉・雇用の関係者が連携する自立支援ネットワーク会議で施策づくりに取り組んでいる。府こころのケアセンターの支援チーム(愛称「おれんじブリッジ」)のコーディネーターが電話相談に応じるコールセンター(0120・134・807、平日午前10時〜午後3時)を開設している。

 また、京都障害者職業センター(075・341・2666)が職場での適応支援や症状に配慮した雇用管理を助言するジョブコーチを勤務先に一定期間派遣して相談に応じている。京都産業保健総合支援センター(075・212・2600)も勤務先を両立支援促進員が訪問し、治療と職業生活の両立、健康管理などについて支援プランを作成している。

 冊子では「パスワードなど大事なことが覚えられなくなった。大事なものを忘れたり、なくしたりすることが多くなった」など6項目のチェックリストを掲載。早めの受診と相談を呼びかけ、病気や制度についてイラストを交えて解説している。患者や企業のメッセージも収録している。

 冊子は府庁の総合案内・相談センターや府の保健所でも配布。府高齢者支援課(075・414・4573)の担当者は「40〜50代の人も手に取ってみてほしい」と話している。

 該当すれば□にチェックを。

□パスワードなど大事なことが覚えられなくなった。大事なものを忘れたり、失(な)くしたりすることが多くなった。

□約束の時間を間違えたり、忘れたりすることが多くなった。道が分からず、目的地にたどりつけないことがあった。

□書類や電話の内容が理解できないことが多くなった。会話や書類をつくる時に、言葉がうまく出なくなってきた。

□新しい仕事が覚えられなくなった。今までできていたことができなくなり、失敗も多くなった。

□人が変わったように性格が変化してきた。反社会的な行動をとるようになった。

□「誰かに物を盗まれた」と何度も訴えるようになった。「変なものが見える」と訴えるようになった。

 いずれかに当てはまれば、ストレスや年齢のせいと片付けず、早めの相談・受診を。

(府立医科大付属病院認知症疾患医療センター監修)

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