空襲の記憶を集めた地図 神戸の元教諭ら作成

空襲の記憶を集めた地図 神戸の元教諭ら作成

「神戸平和マップ 私たちの街にも戦争があった」を手に、作成に込めた思いを語る小城智子さん=神戸市中央区で2019年4月26日、木田智佳子撮影

 神戸市内の戦争遺構や慰霊碑などを区ごとに集めた「神戸平和マップ」を1冊にまとめた合本がこのほど完成した。地図に写真や解説を添えた全9区分に、新たに学童疎開や学徒勤労動員などの史料も追加。製作者らは「戦争時、人々の暮らしに何が起こったのか、その場に立ち空気に触れて思いを巡らせてほしい」と呼びかける。【木田智佳子】

 マップを作ったのは元小学校教諭の小城(こじょう)智子さん(67)=長田区。教師になりたての頃から平和学習に力を入れてきたが「戦争体験を話せる祖父母や地域の大人がだんだん少なくなってきた」と実感。「体験を風化させずに、子どもたちや若い人に知ってもらいたい」と、定年退職した2012年から地図作りを始めた。

 元同僚や所属する「神戸空襲を記録する会」のメンバーらと街を歩き、地元の人たちに話を聞いて情報を収集。空襲の跡などが今も残る兵庫区から始め、17年までに、市内9区を2地域ずつに分けた計18枚を完成させた。いずれも2000部を発行し、市内の小中学校、特別支援学校に寄贈。フィールドワークに活用され、小城さんらも地図を元にウオーキングなどの催しを開いた。

 区ごとの地図は手に持って歩くのに便利だが「まとめたものを手元に置いておきたい」との声を受け、「神戸平和マップをつくる会」共同代表の飛田雄一さん(69)らと合本に取り組み、今春に1000部を発行した。

 小城さんは「北区や西区は戦争の被害は少ないと思っていたが、実際は違っていた。戦争の跡は市内全域にさまざまな形で残っている。マップが歴史に学び平和について考え語り合うきっかけになれば」と話す。

 合本「神戸平和マップ 私たちの街にも 戦争があった」は1部1000円。各区のマップは1部100円。購入・問い合わせは小城さん(080・1419・8208)、または神戸学生青年センター(078・851・2760)。

 6月2日には「記録する会」主催の戦跡ウオークがある。午前10時にJR三ノ宮駅中央口北側集合。JR高架の銃弾跡、生田神社、県公館などを巡り正午解散。資料、保険代200円。

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