若手能楽師五流派そろってオンライン講座 コロナ後を見据え「お客さんつなぎたい」

若手能楽師五流派そろってオンライン講座 コロナ後を見据え「お客さんつなぎたい」

五流派の若手シテ方能楽師がそろっての特別講座。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予定を変更して同時刻にオンラインでの開催となる

 新型コロナウイルスの感染拡大で芸能の世界も大打撃を受け、いまだトンネルの闇の中にいる。「コロナ後」の光の道筋も見えない。でも、できることから手を付けて、「今」を生き抜き、「コロナ後」へ向かおうと、シテ方五流儀(流派)の若手能楽師が、オンラインによるトークと実演の講座を20日午後7時から開く。進行を務める金春(こんぱる)流の中村昌弘さんに聞いた。

 能楽界にはは観世(かんぜ)流、宝生(ほうしょう)流、金春流、金剛流、そして喜多流の五流派がある。中村さんによると、2010年にイベントで4流派の若手が集まったのが、そのきっかけだという。

 「その後、初演をするので他流儀の先輩方からお話をうかがおうと。でも、居酒屋で開いたら脱線するから講座にしちゃおうと(笑い)。それがとても好評だったんです」

 同世代だから話が合わないはずがないし、面白い。そして、お客さんにとっては、各流派の違いなどもわかって楽しい。他の講師は、観世流の武田宗典さん▽宝生流の高橋憲正さん▽喜多流の大島輝久さん。

 「じゃあ継続しようとなり、すると、『金剛流だけなぜ入らない』ということになって、宇高(竜成)さんと接する機会があり、お願いしたら快諾いただき、初めて五つの流儀がそろうことになりました」

 中村さんは、東京・狛江市で「狛江能楽普及会」の活動を通じて能楽普及に務めてきた。今回は、東京・千駄ケ谷の国立能楽堂にある大講義室で開く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急きょオンラインでの開催に変更した。動画投稿サイト「YouTube」での配信の経験もあるが、「いやあ、怖いです。やるたびに、いろんなトラブルが出てくるんで、当日まで気が抜けません」という。

 「でも、今、舞台がない状況で、なんとかお客さんの関心をつないでいきたい、新たに興味を持ってくださる方を開拓しようという気持ちでやっています。舞台がいつ再開できるか正直わからない。やっぱり舞台の生の音とインターネットを通すものでは、ものが違う。なるべく近づけるものを作りたいけれど……。今は舞台が再開した時に見られるよう、皆さんの意識をつなぐ活動が一番大事だと思っています」

 厳しい状況の中、どのように今後を考えているのか、最後にうかがった。

 「当初は延期という方向でそれに向かって稽古(けいこ)を続けて、モチベーションを維持していましたが、難しいと思ったところで、じゃあどういうことができるかと、頭を切り替えています。舞台勘が減ってきていることには不安はあります。思ったほど暇がなくて、やることが多くて、モチベーションをキープできていると思いますが……」

 今回のテーマは「角田川(隅田川。金春流では角田川と書く)」。悲しい結末をどう解説してくれるか興味深い。申し込みは(https://peatix.com/event/1478123)へ。【油井雅和】

関連記事(外部サイト)