アプリで濃厚接触者らの体調把握 感染早期発見に 和歌山県立医大など開発

アプリで濃厚接触者らの体調把握 感染早期発見に 和歌山県立医大など開発

新型コロナウイルスに感染した可能性がある人の健康データを簡単に管理できるアプリ「健康日記」=和歌山市紀三井寺の和歌山県立医大で2020年4月6日午前11時58分、木原真希撮影

 新型コロナウイルスに感染した可能性がある複数の人の健康データを簡単に管理できるスマートフォン用アプリを和歌山県立医大の研究者らが開発した。すでに保健所などが、濃厚接触者や海外からの帰国者の健康状態を経過観察するため導入しており、事務作業量の軽減につながると好評を得ている。

 アプリは「健康日記」。同大の山本景一准教授(52)やベンチャー企業「ヘルステック研究所」(京都市)などが考案した。

 アプリは無料で、保健所の担当者ら体調を把握したい人が「管理者」となり、経過観察したい人に体温のほか、せきや息苦しさ、鼻水、下痢の有無――など9項目を毎日メールで送ってもらう。このデータは折れ線グラフなどで表示することもでき、管理者が体調変化を把握しやすいよう工夫されている。

 もともとは会社や学校の健康管理に活用してもらうことを想定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、濃厚接触者らの状態が分かるような質問を加えた。和歌山市保健所は3月、感染した女性と同じ職場に勤務する約50人の体調を把握するため導入した。従来は職員4人が2時間近くかけて電話で直接体調を聞き取るところ、アプリを使うことで1人が20分ほど作業するだけで済むようになったという。保健所の浦崎美和さん(47)は「電話がつながらず何度もかけ直すこともあった。アプリのおかげで時間と人員を削減できた」と話す。

 山本准教授によると、このアプリは岐阜市保健所も導入。国際協力機構(JICA)が海外から帰国した職員らを対象に活用するなど、約200団体が既に導入しているという。

 4月下旬には陽性患者で自宅待機になった人の健康管理にも使えるようバージョンアップした。山本准教授は「症状を継続的に記録することで、感染の早期発見が期待できる。感染拡大の防止に役立ててほしい」と話している。

 アプリはウェブサイト(https://www.htech−lab.co.jp/covid19/)からダウンロードできる。【木原真希】

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