「面白すぎるロボット工学教科書」が話題 失敗するペンギンロボをコミカルに描写

「面白すぎるロボット工学教科書」が話題 失敗するペンギンロボをコミカルに描写

壁に激突するホイールダック2号のイラスト=(C)木野仁、谷口忠大、峰岸桃、講談社

 親しみやすいイラストと物語でロボット工学の基礎を解説する入門書「イラストで学ぶ ロボット工学」(講談社)が「面白すぎる教科書」と話題を集めている。出版から1年半が経過した今もネット上で学生らの反響が続く。著者の一人、福岡工業大(福岡市東区)の木野仁教授(48)は「この本をきっかけに、多くの若者にロボット工学を志してほしい」と期待している。

 開発中のペンギン型ロボット「ホイールダック2号」が、家庭用サービスをこなせるようになるため、さまざまな仕事に挑戦していくストーリー。ロボットアームでドアを開けようとしてノブを壊してしまったり、壁に激突してしまったりと、次々に失敗する姿をコミカルに描写。それぞれの失敗場面に合わせて、改良のために必要な力や運動、速度の制御のための数式などが解説される。

 「既存の教科書は学生には難しすぎる」と、木野教授が分かりやすい教科書づくりを模索したのは4〜5年前。だが本を企画しても出版社が見つからない。そんな時、谷口忠大(ただひろ)・立命館大教授が執筆し、ホイールダック2号が登場する「イラストで学ぶ 人工知能概論」に出合った。出版社を紹介してもらうつもりで谷口教授に連絡を取ったことがきっかけとなり、2人でシリーズの第2弾を作ることになった。本の内容は木野教授、ストーリーは谷口教授、イラストはイラストレーターの峰岸桃さんが担った。

 木野教授によると、2017年11月の出版以降、約10の大学や高等専門学校で教科書として採用された。今年4月にはツイッターで「面白すぎる教科書」とつぶやかれ、10日間でリツイートが2万件を突破するなど話題となっている。

 木野教授は現在、第3弾となる「イラストで学ぶ 制御工学概論」を執筆中だ。「基礎を理解できる環境を作ることで、エンジニアを目指す学生の裾野も広がる。明日の技術者を育てたい」と話した。【杣谷健太】

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