アニメ監督・宇井孝司さん死去 審査委員長予定の「賢島映画祭」遺志継ぎやり遂げたい

アニメ監督・宇井孝司さん死去 審査委員長予定の「賢島映画祭」遺志継ぎやり遂げたい

2014年の賢島映画祭プレイベントで右から宇井孝司さん、橋爪吉生さん、山際新平さん=志摩ムービークルーズ提供

 アニメ映画監督、宇井孝司さんが5日、心筋梗塞(こうそく)のため死去したことに、三重県内の映画関係者が衝撃を受けている。9月8日に志摩市阿児町で開催する「第5回賢島映画祭」を主催する「志摩ムービークルーズ」は、審査委員長を依頼していた。同会会長の橋爪吉生さん(60)は「突然のことで驚いている。残念だが、監督の遺志を継いで、映画祭を無事にやり遂げたい」と語る。

 橋爪さんと宇井さんは、市立船越中学校(同市大王町)の閉校がきっかけで知り合った。橋爪さんは、同中学校の同級生で、映画「ALWAYS続・三丁目の夕日」でプロデューサーを務めた故・山際新平さんと閉校記念に映画を作ろうと意気投合。山際さんが脚本を担当、交友のあった宇井さんを監督に迎えた。映画「校歌の卒業式」は、同中の在校生や卒業生が出演し、2013年3月の閉校と共に完成した。

 地元での自主映画製作をきっかけに、山際さんが中心となって、地域の匂い(風景や歴史、文化、風土、人物など)を物語にした地域主役型の映画祭を企画。これが15年9月に初開催した賢島映画祭で、宇井さんも審査員を務めた。

 しかし、同年12月、山際さんが56歳で急逝。遺志を継ぎ、宇井さんが映画祭を支え、審査委員長を務めてきた。さらに船越地区では、船越小学校の閉校も決まり、17年には宇井さんが監督として同小の映画「校歌の卒業式〜夜明けの風に」も完成させた。山際さんを追悼する映画上映会を開催した際に、駐車場を整理する人が足りないため、自ら車の誘導に当たったエピソードは、宇井さんの飾らない人柄を伝えている。

 橋爪さんは「山際が亡くなった後、ムービークルーズの後ろ盾として映画祭を支えくれた。おかげで映画祭の知名度も高まったと思う。宇井監督がつないでくれた映画関係者の方との縁を汚さず、志摩から発信できるよう仲間とがんばることが供養になる」と悼んでいた。【下村恵美】

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