SNS、LINE学び自立へ 高等部の知的障害者向け教材開発 NPO

SNS、LINE学び自立へ 高等部の知的障害者向け教材開発 NPO

教材を共同開発したNPO法人まなびやの弓削幸恵理事長(中央)と静岡大の塩田真吾准教授(右)ら=静岡市駿河区で2019年4月24日11時4分、古川幸奈撮影

 NPO法人「まちなびや」(静岡市葵区)が、知的障害を抱える特別支援学校高等部の生徒を対象にした情報モラル教材を製作し、インターネット上で無料公開している。静岡大教育学部の塩田真吾准教授(教育工学)や香野毅教授(特別支援教育)の研究室が開発に協力。相手の状況を想像するのが苦手とされる学生たちに、インターネットの特徴を理解させ、トラブルを防ぐことが狙い。【古川幸奈】

 教材のテーマは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上での「写真公開」と「コミュニケーション」の二つで、どちらもワークシートやカードを使って学ぶ形式。SNSで公開していい写真の範囲や、無料通信アプリ「LINE」(ライン)での場面に応じたスタンプの使い方などが学べる。「会社を休む時にラインで連絡してよいのか」など、将来の就職を視野に入れ、上司とのやりとりなどで配慮すべき点も意識。将来の生活に応用できるよう、実践的な内容を加えた。

 まちなびやの弓削(ゆげ)幸恵理事長は以前から、SNSを巡る不安の声を保護者から聞いていたという。交流のあった塩田さんらも同様の問題意識を抱えており、学校現場でも障害の特性によるSNS上のトラブルを訴える声が多く上がっていたことから、約1年前に共同で製作を始めた。

 静岡大が昨秋、県内の特別支援学校の教員84人に対して行った調査では、知的障害のある子どもの間でも動画サイト「ユーチューブ」や、ラインなどが広く利用されていることが分かった。一方、トラブル事例を問うと、自由記述では「SNSで個人情報を入力する」や「電話やLINEで反応がないとしつこく送る」などの問題が挙げられたという。

 塩田准教授は「指導を丁寧に行えば、空気を読むことが苦手だったり、個人情報を簡単に教えてしまったりすることは改善できる可能性は高い」と説明する。教材は研究室のホームページから無料でダウンロードできるほか、要望があれば静岡大の学生が出張授業をすることも可能。問い合わせは、ホームページ(http://shiotashingo.main.jp/)から。

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